午後は住宅団地の中にある公園に移動。この公園ではドローンのダウンウォッシュで砂埃が舞い上がるのを防ぐために着陸パッドが敷かれているほか、公園の入り口にはドローン配送を告知するポスターが貼られている。ここで注文したのはかさばるボックスティッシュのほか、ペットボトルや衝撃に弱いと思われる卵など税込合計2,239円分。ちなみにトイレットペーパーを注文しようとしたが、さすがに箱に入らないということで、注文できないと電話があった。この公園では13時15分頃に注文を完了したところ、13時30分から45分に配送するとの通知があり、13時50分ごろにドローンが到着した。

日の出団地2号公園の入り口にはドローン配送のポスターが掲示されていた。
公園では砂埃が舞うことを防ぐためにシートが敷かれている。また、ポートの様子を遠隔で監視するカメラや気象センサーも設置されている。
住宅団地の公園で配送を受けた時の様子。RTKを使ってドローンの位置を制御しているため、かなり正確に指定した着陸位置に荷物を降ろす。
午後の配送で購入した商品。大柄なボックスティッシュやペットボトル飲料を入れてもまだ余裕があった。

 実際に利用者の立場でドローン配送のサービスを受けてみて最初に感じたことは、やはりドローンが自分のために商品を届けてくれるという“ワクワク感”だ。ふだんは記者の立場でこういったドローン配送の利用者の声を聞いているが、実際にお金を払ってサービスを受けると、やはり感じ方が違うものだ。

 また、ペイロードの制限から運べるのは箱や梱包材を含めて最大5kgとなっているが、意外と多くのものを買って運んでもらえるということ。今回のドローン配送は注文金額が300円からとなっている(通常のセブン-イレブンネットコンビニでは1,000円から)が、この箱一杯に商品を買おうとすると、2,000円を超える商品を買ってもまだスペースに余裕があった。

 もちろん、これがスーパーで日頃の食料品を買うとなると、このペイロードはあっという間にいっぱいになってしまうかもしれない。しかし、コンビニでの買い物の場合は、昼食のお弁当と飲み物といったように、一度に購入する商品のボリュームは、今回のドローンのペイロードに収まるものといえる。「今回の配送地のひとつである大久野病院は、周辺にコンビニがなく、昼食を買いに出るとするとセブン-イレブン日の出大久野店が最寄りとなり、どうしてもクルマで足を運ぶことになる。それだけに、実証期間中は昼食を買う目的で利用されることが多かった」(ANA HD関係者)という。

 また、今回はユーザーの注文に応じてドローンが飛ぶというオンデマンド配送というスタイルを採用している。機体が1機であることから、往復に準備といった時間も含めて1便30分という所要時間から、1日朝10時から17時まで7時間で最大14便程度となる。しかし、これが複数機を飛ばせるようになると、よりオンデマンド性が高まることだろう。