ANAホールディングス(以下ANA HD)とセブン-イレブン・ジャパン(以下セブン-イレブン)、ACSLは2021年12月2日、東京都日の出町において、2022年末施行の改正航空法に基づくレベル4飛行をイメージした、ドローン配送の実証を公開した。
セブン-イレブン店舗から住宅地や病院など4カ所までのルートを設定
今回、ANA HDら3社が取り組んだ実証は、東京都がドローン関連のビジネスモデル構築に向けた支援を目的として2020年から2年間の事業として公募した、「ドローンを活用した物流サービス等のビジネスモデル構築に関するプロジェクト」のひとつ。2020年7月にプロジェクトを公募し、その結果、KDDI、日本航空、JR東日本、ウェザーニューズ、テラドローンの5社が参画する「東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装 〜ドローンを活用したまちづくり〜」と、ANA HD、ACSL、NTTドコモの3社が参画する「小売店舗と連携したドローン配送サービス構築プロジェクト」の2件を選定した。
KDDIらが取り組むプロジェクトは、2021年11月に東京都港区の竹芝でフードデリバリーの実証実験を実施し、2022年2月にも隅田川周辺で医薬品配送の実証実験を行うとしている。本実証はANA HDらが参画するもうひとつのプロジェクトであり、小売店舗を中心とした地域社会の新しいインフラとしてドローン配送ネットワークの構築を検討することが目的。インターネットを使った注文後の即時配送サービスや、荷物の集荷・配送サービスのモデル構築を目指し、サービス運用の検証を通じて、課題や収益・コストといったビジネスモデルの事業性を探っていくとしている。
ANA HDは今回の実証の中で小売店舗としてセブン-イレブンと組み、コンビニの商品を店舗から自宅や店舗に届けてくれる「セブン-イレブンネットコンビニ」のサービスのひとつとしてドローン配送を実施した。配送の拠点となったのは東京都西部の日の出町にあるセブン-イレブン日の出大久野店で、ここを拠点に日の出町内の住宅団地の公園2カ所、病院、そして町が観光農業の拠点として運営している肝要の里の4カ所に向けて、ドローンが注文を受けた商品を運ぶというものだ。