ステレオカメラとToFセンサーを使った障害物検知は各方向独立して設定可能
2回目のデモフライトでは、Airpeak S1のこうした高機動の飛行の一方で、機体をピッチさせることによってカメラに回転するプロペラを写り込ませないための、機体の傾きを制限する飛行を披露。搭載可能なカメラに装着できるレンズは焦点距離14mmから85mmまでとなっており、広角レンズでは急な加速や減速による機体の傾きで、プロペラが画角に入ってきてしまう。そこで、このレンズの画角に応じて最大傾斜角を制限することで、操縦者はプロペラの映り込みを気にすることなく、操縦に集中できる効果があるという。
さらにこうした高機動な飛行や傾斜角を制限した飛行は、3つある飛行モードのうち2つに割り当てることが可能だ。また、この飛行モードの中にはGNSSによる位置制御を行わず、高度のみ一定に制御される「Altiモード」も割り当てることができる。
また、Airpeak S1にはステレオカメラとToFセンサーを使った障害物検知機能を搭載している。デモフライトの中では飛行場内の木に向かって機体を前進させ、一定の距離で自動的に機体が停止する様子を示した。この障害物検知機能は前進だけでなく、後進、左右方向でも機能し、さらに専用アプリの設定で同機能のオンオフを、方向毎に設定することができる。また、この障害物との離隔は飛行スピードで検知する距離が変わるという。
Airpeak S1はプロフェッショナル向けの空撮用ドローンとして、操縦者とは別のオペレーターがカメラジンバルを操作する、いわゆる“2オペレーション”が可能。カメラオペレーターは操縦者と同じコントローラーを使って、カメラジンバルのパン、チルト、ロールを2本のスティックで操作する。このジンバルの動きとスティックの割り当ては4つのモードの中から選ぶことが可能だ。
また、2オペレーションでは「フォローモード」と「ロックモード」を選ぶことができる。「フォローモードは機体の向きにカメラの方向が追従するのに対して、ロックモードでは機体が左右を向いても常に一定の方向を向くため、カメラオペレーターは被写体に対してカメラを微調整するだけでいい」(説明員)といい、対象物の特定の部分を撮影する必要がある点検などで有効な機能だと言える。