近年、ドローンによるライトショー(ドローンショー)の開催が世界各地で増えている。実際に体験する機会は天候のほか、飛行場所の許可承認が得られるかなど制約が多く、目にした人は幸運の持ち主だ。そうした中、大阪市の夢洲(ゆめしま)で開催中の「大阪・関西万博」では毎晩ドローンショーを実施しており、夜空を彩る美しい光の演出を体験できるまたとないチャンスとなっている。今回は、「大阪・関西万博」におけるドローンショーの楽しみ方を解説しよう。

見どころは?1000機以上のドローンが織りなす光の演出

写真:ドローンショーの様子(One World, One Planet.)
「大阪・関西万博」では10月13日までの会期中、毎晩ドローンショーが開催される

 ドローンショーが行われるのは、会場南側に位置する「つながりの海」の上空だ。万博史上初となる海に面したロケーションを活かし、会場のシンボルでもある大屋根リングよりもさらに上空の開けた夜空をステージに、毎日21時から約10分間(ドローン撤収までの時間を含む)開催されている。

会場マップ
五角形の水面エリア(中央左下)の大屋根リング外側が「つながりの海」、大屋根リング内側が「ウォータープラザ」。青丸がドローンショー観覧おすすめスポット(出典:Google Maps)

 このショーは「One World, One Planet.」のメインコンテンツであり、テーマは「願い」。使用されるドローンは毎回1000機にのぼり、累計飛行数では“世界最多記録”への挑戦も行われている。なお、2020年のドバイ万博では、中国館が毎晩150機によるドローンショーを行った。

 ちなみに開幕初日には、国内最大規模となる2500機でショーが展開され、空中に巨大な木を描いた演出でギネス世界記録を更新した。これには特別演出として、花火や従来の約6倍の明るさを持つフラッシュモジュールを搭載した機体も使用された。

▼レッドクリフ - レッドクリフ、大阪・関西万博の開幕初日にギネス世界記録™を更新!
https://redcliff-inc.co.jp/pressrelease/guinness-world-records/

写真:ドローンショーの様子
開幕式の特別演出ドローンショー(写真提供:レッドクリフ)

ベストな観覧場所は?おすすめスポットと注意点

 ドローンショーは花火のように高度が高いので万博会場の広範囲から見ることができる。しかし、中でも特におすすめなのが「大屋根リング」の上部にある通路と、その内側にある噴水エリア「ウォータープラザ」正面の観覧スペースである。

 大屋根リングの上にある通路は2層構造になっており、下段通路へはエスカレーターやエレベーターでアクセス可能。そこからさらにスロープを歩けば上段通路に行ける。その高さは約20mあり、ドローンのローター音が聞こえるほど近くでショーを見ることができるのだ。

写真:大屋根リングの通路
大屋根リングの上の通路は2段あり、上段(写真上)はスロープを上っていける(徒歩のみ)
写真:ドローンショーの様子
ドローンのローター音が聞こえるほど間近で見られる

 ドローンショーは毎晩21時から開始するが、上段に上れるのは20時45分までとなっているので注意してほしい(その他、混雑具合によっては規制あり)。ベストポジションを確保したい場合は早めに行くようにしたい。

水上ショーと連続で楽しめる!「ウォータープラザ」正面エリア

 もうひとつの観覧おすすめポイントである「ウォータープラザ」前のスペースからは、海に浮かぶモニュメント「ウォーターカスケード」とともにショーを見ることができ、ライトアップとの組み合わせが幻想的な雰囲気を演出している。

写真:ウォータープラザの様子
「ウォータープラザ」はモニュメントや大屋根リングと一緒にショーが見られる

 同じ場所では、約300基の噴水と照明やレーザーなどで演出するスペクタクルな水上ショー「アオと夜の虹のパレード」も行われている。この水上ショーは20時30分に最終回が始まり、その直後にドローンショーがスタートする流れになっている。

 なお、水上ショーの階段状の観覧席(自由席)は事前予約が必要だが、後方の立ち見スペースであれば自由に入れる。ただし、モニュメントとの位置関係で視界が遮られることもあるため、全体を見渡したい場合は少し後方から観覧するのが良いかもしれない。

 また、裏側からにはなるが、大屋根リングの上から水上ショーを見るという選択肢もある。

写真:大屋根リングの上から見える水上ショーの様子
大屋根リングの上から水上ショーの裏側が見られる

ドローンショー観覧の前に知っておきたいこと

 会場は22時に完全撤収となるため、パビリオンやショップは21時までの営業となる。ショッピングやグルメを楽しみたい場合は、ドローンショーの前までに済ませておくと安心だ。また、夢洲は海に面しており、夜になると体感温度が大きく下がることがあるため、防寒具は準備したほうがいいいだろう。一方、今後は日没時間が遅くなり気温が上がるにつれて、涼しい場所での観覧を考慮するのが望ましい。


 梅雨や台風の時期には中止の可能性もあるため、事前に公式アプリやWebサイトで最新情報を確認しておきたい。

チケットの種類と混雑対策をチェック

 万博のチケットには複数の種類がある。「平日券(6000円)」に加え、17時以降に入場可能な「夜間券(3700円)」も用意されており、夜のショーを目的に訪れる人には便利だ。そのほか、会期中何度でも入場できる「通期パス」や、夏季限定の「夏パス」(7/19〜8/31の期間中いつでも入場可)も販売されている。予定に応じて選択し、ぜひドローンショーも含めた夜の万博を満喫してほしい。なお、ショー終了後は東ゲートを中心に混雑が発生しやすいため、帰りの時間帯には注意が必要である。

写真:ドローンショーで夜空に描かれた「EXIT」「<EAST WEST>」
ショーの終了後にはドローンの出口案内が空に表示される

 各イベントのスケジュールのチェックは公式サイトまたは公式アプリから。

▼イベント情報 | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト
https://www.expo2025.or.jp/events/

▼会場マップ | EXPO 2025 Visitors
https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/map