2021年6月10日、ソニーグループは、Airpeakの第一弾として業務用ドローン「Airpeak S1」の発売を発表した。オープン価格となっているが、市場推定価格は110万円前後(税込)。2021年9月より順次出荷する予定だ。

 同機体は、独自開発のモーターやプロペラ、制御システム、センシング技術などを備え、フルサイズミラーレス一眼カメラ「α」を搭載可能な機種で、世界最小クラスを実現している。送信機、センシングによる障害物検知や自動飛行、機体や飛行情報のクラウド管理により、高画質な空撮映像制作をサポートする。

 Airpeak S1の最高速度は90km/h(ペイロード無し、障害物ブレーキ無効時)、最大角速度180°/s、最大傾斜角度55°と、高い基本性能を実現。独自開発の推進デバイスと飛行制御で、最大20m/s(ペイロード無し)の耐風性能を有し、強風下でも安定した飛行が可能だ。

 軽量で高効率、高強度、高応答性のある独自開発の17インチプロペラやブラシレスモーターに加え、これらを制御するESC(Electric Speed Controller)を搭載している。推進デバイスと全てのセンサー情報を統合し、安定した飛行と高い操縦応答性を実現する飛行制御システムを構築している。

 飛行時間はペイロード無しで最大22分。バッテリーのホットスワップに対応し、起動状態のままバッテリー交換を行うことができる。

 ソニー製イメージセンサーが内蔵されたステレオカメラを機体5方向(前後左右下)に配置し、それらのカメラ情報を同時に高速処理できるソニー製ビジョンセンシングプロセッサと独自アルゴリズムを搭載。Airpeak S1は、それら視界情報とIMU(Inertial Measurement Unit)、コンパス、気圧、赤外線測距などのセンサー情報を統合し、自己位置・姿勢を高精度に推定して周囲の空間をリアルタイムに認識する。これにより、屋内や橋梁下などGNSSを受信しづらい条件下でも安定した飛行を実現する。

 ジンバルを含めて総重量約2.5kgまでカメラシステムを取り付け可能。撮影用途に合わせてα7Sシリーズや「FX3」、α7Rシリーズ、α9シリーズ、8K動画を撮影できる「α1」等を搭載可能。

 飛行時は映像をリアルタイムに確認しながら機体やカメラ、ジンバルを操作できる。モバイルアプリ「Airpeak Flight」(iOS/iPadOS対応)は機体と送信機、カメラ、ジンバルを統合し、画面上で飛行距離やバッテリー残量などの状態確認や、各種操作、設定変更が行える。

 ウェブアプリ「Airpeak Base」では、機材管理や飛行プラン作成、フライトログ管理が可能。機材管理では使用した機材情報が自動でリストアップされ、フライトログをもとに管理を行う。現場に行く前に機体状態を確認できるため、トラブルの軽減につながる。

 高度な飛行プランを作成することも可能。タイムラインに沿って機体の位置(緯度・経度・高度)や速度を設定し、ジンバルの向きや動画・静止画撮影のタイミングを指定できる。過去に飛行したフライトログをもとに飛行ルートとジンバル、カメラの動きを自動で再現する自動飛行機能にも対応している。

 Airpeak Baseの全ての機能を使用できるクラウドサービス「Airpeak Plus」と、事故や故障に備えたアフターサービスプラン「Airpeak Protect Plan」も提供予定だ。

Key Futures | Airpeak S1(Sony)