「航空法等の一部を改正する法律」が成立し、2021年6月に公布された。2022年12月に施行を控えており、第三者上空の目視外飛行(レベル4飛行)の実現に向けて制度や規制の整備が進められている。
 当初は機体登録、機体認証、ライセンスといった新設される制度について、具体的な取りまとめを2022年3月頃に公表するとしていたが、やや遅れている様子だ。
 そこで、新設される制度の詳細が公表される前に改めて航空法について解説したい。

安全基準策定と機体開発、同時進行でレベル4目指す

 新たに設けられる「機体認証」は、機体の信頼性を担保する制度となる。2021年度中に機体の安全基準の方向性を示し、2022年12月頃の機体認証制度施行を目指す。それには、機体認証の検査を行う登録機関が必要だ。登録要件定義についても検討中で、安全基準策定と同じスケジュールで進められる予定だ。特に難しいのは、第1種の機体認証に関する安全基準策定だ。これはレベル4に対応した機種を指すが、レベル4を想定して開発された機体はほぼ存在しない。このため、安全基準策定の検討段階から機体メーカー等と情報を共有し、同時進行でレベル4飛行用の機体開発を進めて、実用化を目指すという。

 機体認証制度の体制は、2021年4月、国交省航空局の「次世代航空モビリティ企画室」が安全基準整備を行い、国交省航空機技術審査センターが機体の安全審査を担う。これに機体メーカーが加わり、基準と開発を共に進め、福島ロボットテストフィールドが試験飛行等の規制面をサポートする。

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執筆者:春原 久徳、青山 祐介、インプレス総合研究所
発行所:株式会社インプレス
判型:A4
ページ数:692P
発行日:2022/03/24
https://research.impress.co.jp/node/641

2022年、ドローンの新たな法規制!航空法解説

Vol.1「制度の全体像」
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Vol.3「操縦ライセンス」
操縦者の技能を担保する「操縦ライセンス」免許交付・更新の体制を模索

Vol.4「機体認証制度」
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