KDDIは2月15日、「スマートドローン発表会2022」を開催した。同社はドローンの社会インフラ化をテーマに新会社の設立、新たな法人向けパッケージの提供、それを実現するための航空会社との協業の3つを発表し、ドローンの運用は次なるステップへと進みだした。

6年間の取り組みを経て、ドローンのスピンオフベンチャーが誕生!

 同社はドローンの安全飛行に必要な運航管理体制の構築と、持続可能なビジネスモデルの確立を目標に、数多くのドローン物流の実証実験を実施してきた。直近では2021年3月、兵庫県播磨町でさまざまな業務を担う複数のドローンの衝突回避システムの実証を行い、同年10月には兵庫県洲本市でドローン物流の実証、そして2022年2月には東京都隅田川に架かる永代橋など3つの橋の上空を飛行経路として、医薬品配送の実証実験を成功させている。

 元を辿れば、2016年にスマートフォンのようにネットにつながるスマートドローンの活用を始めたことが事業の発端だ。翌年、2017年にはモバイル通信による完全自動飛行を成功させた。さらには、2020年から長野県伊那市で全国初の自治体運営によるドローン配送サービスを開始し、長期的なドローン物流のサービス化を実現した。開始から約1年半経過した現在もサービスは継続しており、無事故での運用が続いている。

 また、ドローン物流と並行して、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より複数のドローンが飛び交うための運航管理システムの開発を受託し、全国で実証実験を実施してきた。これは物流に限らず、複数のドローンがさまざまな業務で飛行するレベル4の目視外飛行の運用を想定したもので、KDDIはドローン物流のほか、各種インフラ点検へのドローン活用に取り組んできた。今回の発表はこれらの取り組みで培ったノウハウをもとに、いよいよ本格的なドローンの運用フェーズに差し掛かったことが伺える。

 2022年末には航空法改正による大きな制度整備が施工されることもあり、KDDI 執行役員 事業創造本部長の松田浩路氏は、「2022年のドローン新時代をモバイル通信と運航管理をもって切り拓いていく。ドローン業界の加速に応えるためにKDDIスマートドローン株式会社を設立した」と発表。

KDDIスマートドローン株式会社の設立を発表したKDDI 執行役員 事業創造本部長の松田浩路氏(左)と、KDDIスマートドローンの代表取締役社長 博野雅文氏(右)。

 これまでKDDIとしてドローン事業を進めてきたが、4月1日からはKDDIスマートドローンへドローン事業を承継する。ただし、大手企業との販路や窓口については、KDDIと連携して進めていくという。