初めての遠隔運用でも安心なパッケージ「スマートドローンツールズ」を発表

モバイル通信、運航管理システム、クラウドサービスのほか、さまざまなオプションを用意したスマートドローンツールズ。

 KDDIスマートドローンは会社の設立に合わせて、新サービスとなる「スマートドローンツールズ」の提供を発表。これについてKDDIスマートドローンの代表取締役社長 博野雅文氏は「スマートドローンというツールを多くの人に使いこなしてもらいたい。モバイル通信でドローンの未来を創るのがスマートドローンツールズとなる。これはモバイル通信、運航管理システム、クラウドサービスをパッケージにし、ドローンの利活用拡大につながる機能をツールとして用意した。これは本日(2月15日)より提供を開始する」と説明した。

4G LTEパッケージは月額4万9800円での提供を開始した。

 基本となる「4G LTEパッケージ」は、ドローンの遠隔運用に必要な通信、運航管理、クラウドサービスをパッケージ化したもので、データ通信は使い放題、クラウドは保存容量100GBまでとしており、月額4万9800円で利用できる。

スマートドローンツールズの狙いを熱く語った博野雅文氏。

 携帯電話の上空利用は、地上の携帯電話利用者に影響を及ぼすことを踏まえ、総務省や通信事業者の間で検討されてきた。その結果、2020年後半に制度整備が実施され、いよいよ上空利用が可能となった。先駆けて他のキャリア会社から上空利用サービスがリリースされたが、KDDIスマートドローンは通信のほか、運航管理とクラウドサービスを併せて提供する。

 これは、前述で説明した過去の取り組みから得たノウハウをサービスに反映したものだ。KDDIは、いかに遠隔運用の体制構築が難しいかを熟知しているがために、最初から必要なツールをパッケージとして提供し、初めてドローンを運用する企業や自治体にスマートドローンを安全かつ効率的に使いこなしてもらうのが狙いだ。

用途によって使い勝手を向上するオプションを多数用意。今後も追加されていく予定だ。

 ただし、使い方によっては必要なものすべてがパッケージに含まれているとは限らない。そのため、高精度測位や小型の気象センサーといったオプションも用意している。利用者の声をもとに、パッケージの充実化や最適化を進めていきたい考えだ。

安定した通信を確保するドローン専用の通信モジュール「コアウイング01」

 スマートドローンを活用するためには、ドローンをモバイル回線につなぐ必要がある。これまでは携帯端末をドローンに搭載することが一般的だったが、ついに専用モジュールが発表された。

ドローン専用の通信モジュール「コアウイング01」を発表。

 KDDIスマートドローンが開発したドローン専用の通信モジュール「コアウイング01」は、4月より提供を開始する。これは、上空利用に最適化された3つの特徴を備えたモジュールだ。

 1つ目は耐ノイズ設計で、通信品質を確保したという。これまでモバイル回線を利用した飛行では、度々通信が途切れてしまう事例もあった。これの改善策として、機体から発生するノイズなどに強い設計としている。2つ目は電波ログ解析機能を搭載したことだ。通信ログ電波をモジュール内に蓄積して記録することで、常に上空での電波状況を可視化することができる。3つ目は運行管理システムとの連携であり、接続するためのソフトウェアをモジュールに搭載した。モジュールをドローンに搭載するだけで、運航管理システムに接続することが可能となる。

対応機種は海外メーカーを含む9社のドローンを取り揃え、物流や点検、警備監視、測量といった幅広い業務で遠隔操縦が利用できる。

 コアウイング01に対応する最初のラインナップは、ドローンメーカー9社の計11機を予定しており、今後もラインナップは追加されていくという。