2020年11月27日、熊本県上天草市と民間企業等で構成される上天草市湯島スマートアイランド推進協議会は、国土交通省の「スマートアイランド推進実証調査業務」に採択され、今回「上天草市湯島スマートアイランド化モデル事業」の取り組みとして、12月3日に同市の有人離島・湯島において複数機材による物流の実証実験を行うことを発表した。
 実証当日は飛行型ドローン、車両型ドローン、電動バイクおよび電動カートにより湯島島内の荷物の輸送を行う。民間衛星通信を活用した飛行型ドローンによる物流実証は日本で初めてだという。

実証実験 概要

期日 :2020年12月3日(木)
集合 :午前9:30 宮津海遊公園(上天草市大矢野町中11582-24)
解散 :午後14:30 江樋戸港
当日スケジュール
・宮津海遊公園にてブリーフィング後、江樋戸港へ移動
・定期船にて江樋戸港から湯島へ移動し、飛行型ドローン、車両型ドローン、電動バイクおよび電動カートによる物流実証を実施
・湯島交流施設「シーグラス」にてメディア向け体験会
・定期船にて湯島漁港から江樋戸港へ移動、解散

協議会の構成メンバー・協力企業

上天草市湯島スマートアイランド推進協議会構成員
エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所、上天草市、湯島屋、 湯島・夢の島づくり会(青年部)、インサス

技術協力企業
石川エナジーリサーチ、エアリアルワークス、マッハロック九州

上天草市湯島スマートアイランド化モデル事業について

 限定的な物流手段、燃料費の高騰、災害等外部からのリスクやストレスに対応する力の不足といった湯島の抱える課題を、地域資源である再生可能エネルギーを活用した地産地消システムの構築、ドローンやeモビリティとAIを組み合わせた物流イノベーションで解決する持続可能なビジネスモデルの構築を目指す。

上天草市・湯島のスマートアイランド化モデル事業のイメージ(上天草市報道資料より

実証に要する機材

飛行型ドローン
 石川エナジーリサーチ製の「ビルドフライヤー」を使用。マグネシウム合金製の軽量高耐久性の量産ドローンで全自動離着陸自動飛行が可能。ドローンの目視外飛行において必要とされる遠隔監視について、映像情報を民間通信衛星によって送信するのは日本初の取り組みになるという。船以外の物流手段および即時性のある物流手段として湯島・大矢野島間および湯島島内での利用を検討する。

車両型ドローン
 エアリアルワークス製の 「AW-D4V2」(UGV)を使用。全長900mm、全幅500mmの電動自走式リモコン操縦車両で、150kgまでの荷物の運搬が可能。車両通行不可の細い道路や坂道が多い湯島において、島内での物流手段として利用を検討する。

電動バイク、電動カート
 電動バイクはヤマハ発動機製の「E-Vino」を、電動カートはセリオ製の「遊歩スマイル」および「遊歩スキップneo」を使用。いずれも家庭用のコンセントで充電が可能。車両通行不可の細い道路や坂道が多い湯島において、島内での物流手段として利用を検討する。

12/3の実証実験にて使用する機材(上天草市報道資料より