ドローン製品ブランド「エクセディ ドローンプロダクト」を展開するエクセディ。Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2024 in 関西のブースでは、同社が製造したプロペラとモーターなどのドローン推進システムを展示した。
高い技術に裏打ちされた静音プロペラ
車体部品メーカーとして培ったノウハウを持ち、摩擦・振動・流体のコア技術に強みを持つエクセディ。2020年にドローン用のプロペラ、モーター、ESCの新製品開発を始めたが、ドローンプロジェクト部長の村田康介氏は「自動車部品に求められる品質と同じ、質の高い部品を安定供給できる点が評価されている」と胸を張る。
同社のプロペラは2024年1月に量産を開始し、ヤマハ発動機の産業用マルチローター「YMR-Ⅱ」にも採用されている。流体・振動解析技術を応用することで、低燃費飛行を実現したほか、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用し、高強度かつ軽量であるとの特徴を持つ。
展示会では中・大型測量用の26インチプロペラ、農業用の27インチプロペラ、物流用の30インチプロペラのほか、ドローンの駆動音を抑える26.2インチ静音プロペラを展示。静音プロペラでは、ウィングレットやリーディングエッジなどブレード細部の形状を追求することで、4.8dBAの音圧の低減に成功した。同プロペラはすでに開発自体は終えており、量産体制を整えつつある。
モーターは、350W、500W、650W、800Wを展示。低損失磁器回路設計によって高回転域での損失を低減し、FEM解析による構造最適化設計で大幅な軽量化を実現した。
WorldLink & Companyを子会社化、新たなステージを目指す
同社のブースでは、2024年10月に子会社化を発表したWorldLink & Companyも共同出展。WorldLink & Companyは2015年にドローン事業を立ち上げ、「SkyLink Japan」のブランドで点検や農業、測量のほかデータ活用やコンサルティングといった事業を展開しており、ともに関西に本社を有する企業としてエクセディと交流を深めていた。
子会社化の背景には、エクセディの「製造からソリューションまで一貫して提供できるドローンのトータルソリューションプロバイダーになりたい」との思いがあった。
村田氏は、「エクセディは、いまはまだ部品メーカーですが、今後は日本製で高品質な機体そのものも作っていきたいと思っています。そして自社で開発した機体とその機体を活用したソリューションを、WorldLink & Companyのネットワークを使って広げていきたいですね」と語る。
2023年にはトルコを拠点とするドローンメーカーのbaibars、2024年にイームズロボティクスの2社に出資しているエクセディだが、これもさらに事業領域を広げていくための重要なステップだと位置付けている。
今後については、まずは着実にプロペラやモーターといった部品の開発や浸透に注力し、さらなるラインナップの拡充を行っていきたいとしている。