2020年10月26日、日本航空(以下、JAL)は、新上五島町、ヤマハ発動機、長崎県上五島病院、新上五島町若松国民健康保険診療所、上五島部会内郵便局、新上五島町観光物産協会、五島軽運送、東京大学スカイフロンティア社会連携講座と設立した「新上五島町ソリューション協議会」の代表団体として、国土交通省と「令和2年度スマートアイランド推進実証調査」に関する業務委託契約を締結したことを発表した。
同契約にもとづき、協議会メンバーの知見や、JALが実施した輸送実験(*1)での経験を用いて、無人ヘリコプターを活用した新上五島町の医療・物流に関わるさまざまな課題に対する解決と物流ネットワークの構築を図る。また、実証段階から実用化に向けて必要な安全運航に関するデータの取得や科学的検証のために実証調査を行う。
*1 2020年2月25日付JALプレスリリース「国内初、無人ヘリコプターによる空港間目視外飛行で貨物輸送実験を実施」、参照映像 JAL YouTube「【詳細版】JAL 長崎離島 無人ヘリ&Air輸送実験」
無人ヘリコプターを活用した取り組み課題 概要
・新型コロナウイルスの検体採取から検査結果判明までの時間短縮
・緊急手術に備えるための上五島病院における血液在庫の適正管理
・日用品や郵便物の輸送における有効な活用方法の検討
・新たな市場開発に向けた離島の朝獲れ鮮魚の首都圏への同日輸送と商流の構築 など
使用機体
製造者 :ヤマハ発動機株式会社
名称 :産業用無人ヘリコプター「FAZER R G2」(JUAV工業会による機体認定済)
全長 :3,665mm(ローター含む)× 734mm × 1,226mm
機体本体重量 :80kg
最大離陸重量 :110kg
航続距離 :90km
積載重量 :35kg
航続時間 :100分
最高速度 :72km/時
燃料 :レギュラーガソリン
JALはこれまで培った空の移動に係る安全運航のノウハウを活用し、ドローン・空飛ぶクルマといった次世代エアモビリティの運航プラットフォームの構築を目指す。また、地域の課題解決とSDGs達成に向けた取り組みを推進していく、としている。