2023年12月26日、リッジアイとバオバブは、AIとドローンを活用したソーラーパネル外観検査サービス「Ridge Inspection for Solar Panel」を2024年1月16日より提供開始すると発表した。

 ドローンで撮影した太陽光パネルの赤外オルソ画像を利用して、ホットスポットと呼ばれるストリング異常、クラスタ異常、セル異常の疑いのある箇所をAIで検出。解析結果オルソ画像は、モジュールを短形で描画し、異常の種類で色分けを行い、ホットスポットの位置・種類がわかる解析結果画像を出力する。人の目で確認・検知する場合と比べて高精度な異常検出が可能となり、作業の効率化を図る。

左:オルソ画像、右:解析結果(オルソ画像提供:WorldLink & Company)

 2012年に固定価格買取制度(FIT)が導入されて以降、太陽光パネルは加速度的に増え、耐用年数の25~30年後に迎える大量廃棄への備えが大きな課題になっている。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の推計では、太陽光パネルの排出見込量は、2020年に約3千トン、2030年に約3万トン、2039年に約80万トンと見込まれている。太陽光パネルの状態が精緻にわかることで適切なメンテナンスが可能となり、太陽光パネルの寿命を延ばし廃棄を減らすことにつながる。

 Ridge Inspection for Solar Panelは、SkyLink Japanブランドでドローン販売を展開するWorldLink & Company(以下、ワールドリンク)で先行導入している。2023年6月に同サービスを活用したソーラーパネル異常検出サービスのトライアルを開始し、ワールドリンクのトライアル導入ケースでは、同社がドローンで取得したソーラーパネルの赤外オルソ画像をリッジアイの外観検査システムにて解析し、その結果をワールドリンクの地理情報プラットフォーム「4DLinkCloud」で確認できるようにした。

 今回開発したAIモデルにより、さまざまな環境下で撮影した赤外オルソ画像から、実用性の評価・課題出しが可能になるとしている。また、再生可能エネルギー業界のインフラ維持への応用が期待される。

4DLinkCloud上での解析結果の表示