2020年8月31日、エアロネクストと自律制御システム研究所(以下ACSL)は、ドローンの基本性能を向上させるエアロネクストの機体構造設計技術4D GRAVITYを搭載した産業用ドローンの共同開発契約と、開発機体の製造・販売に関する4D GRAVITY特許群のライセンス契約を締結したことを発表した。

 両社は、ACSLが開発中の用途特化型機体の中でも、物流領域に特化したドローンにエアロネクストの4D GRAVITYを活用することで、安定性・効率性・機動性を向上させたドローンの開発を行う。

ACSL代表取締役社長 兼 COO鷲谷聡之氏(左)と、エアロネクスト代表取締役CEO 田路圭輔氏(右)

 ACSLは、エアロネクスト独自の構造設計技術4D GRAVITYを活用することで、飛行安全性や耐風性能などの基本性能を改善できると考え、今回のライセンス契約の締結により4D GRAVITYの「1stライセンシー」となり、4D GRAVITY搭載ドローンを開発し、製造販売する権利を得た。まずは、ACSLが開発中の用途特化型機体の中でも、物流領域に特化したドローンへの4D GRAVITY搭載を進めていく。さらに、その他の領域(点検、防災等)の産業用ドローンについても順次4D GRAVITY搭載の検討を進めていく、としている。

 両社は2019年10月にエアロネクストの4D GRAVITYを搭載した産業用ドローンの新機体の開発に着手したことを発表し、これまで共同での研究開発を進めてきたが、本共同開発契約及びライセンス契約のもと、より共同開発を推進し、加速していく産業用ドローンビジネスと市場の成長に寄与していく、としている。

4D GRAVITYとは

 4D GRAVITYとは、機体重心を最適化することで、飛行中の姿勢、状態、動作によらずモーターの回転数を均一化して、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能を向上させるエアロネクストが開発した構造設計技術である。この技術は、機体の分離結合構造とペイロードの接続の仕方に特徴を有しており、エアロネクストは、この技術を特許化して4D GRAVITY特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITYによる基本性能の向上により、産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

各社概要

エアロネクスト

 エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化され、ドローンで社会課題を解決するために、テクノロジーで空を設計する会社である。コアテクノロジーは、機体重心を最適化することで産業用ドローンの安定性、効率性、機動性といった基本性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY。この技術を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITYライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進している。https://aeronext.co.jp/company/

自律制御システム研究所

 ACSLは、産業分野における既存業務の省人化・無人化を実現すべく、国産の産業用ドローンの開発を行っており、特に、画像処理・AIのエッジコンピューティング技術を搭載した最先端の自律制御技術と、同技術が搭載された産業用ドローンを提供している。既にインフラ点検や郵便・物流、防災などの様々な分野で採用されている。https://www.acsl.co.jp/company/