大分県佐伯市、NEXT DELIVERY、生活協同組合コープおおいた(以下、コープおおいた)、コープサービスおおいた、セイノーホールディングス(以下、セイノーHD)、大分県は、複数の荷主の商品を積み合わせて同じ納品先に配送する「共同配送」と、迅速な配送やコスト削減が期待される「ドローン物流」を組み合わせた新スマート物流SkyHub(スカイハブ)の仕組みを活用した実証実験を、2025年2月13日に大分県佐伯市で行った。

 環境省委託事業「運輸部門の脱炭素化に向けた次世代型物流促進事業(脱炭素化を加速させる新スマート物流に関する実証)」において、温室効果ガス排出量を削減した物流の実現に向けて実施したものとなる。

 NEXT DELIVERYと地域事業者であるコープおおいた・コープサービスおおいたが主体となり、セイノーHDとNEXT DELIVERY親会社のエアロネクストが開発推進する、ドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流SkyHubの社会実装の検討に向けて実施した。

写真:ドローンと横並びの6人
(左から)コープサービスおおいた代表取締役 三浦正公氏、コープおおいた常勤理事 下村卓也氏、佐伯市長 田中利明氏、NEXT DELIVERY取締役 青木孝人氏、セイノーHD事業推進部ラストワンマイル推進チーム新スマート物流推進プロジェクト課長 和田悟氏、大分県商工観光労働部 新産業振興室 副主幹 河野賢治氏
写真:2台のトラック、ドローン
配送に使用した中津急行とコープおおいたのトラック、物流専用ドローン「AirTruck」(宇目保健センター)
写真:荷物を手渡す様子
同じ宛先の荷物を混載するため、中津急行が配送する宅配荷物をコープおおいたのスタッフに手渡す中津急行の配送ドライバー(宇目保健センター)
写真:ドローンに荷物をセットする様子
コープおおいたの荷物(生協組合員の定期配送の荷物)と、中津急行が配送する同じ宛先の2つの荷物を混載した専用箱をドローンに搭載する様子(宇目保健センター)

 佐伯市は大分県南東部に位置し、九州で一番広い面積をもつ。多くの地方と同様に人口減少、少子高齢化などの課題があり、同市のなかで最も広い面積を占め、居住範囲が広範な宇目地域の課題はより複雑で、物流の効率化の必要性が考えられている。

 物流各社の荷物を集約(共同配送)し、少ない台数かつ高い積載率でトラック配送を行うとともに、配達非効率地域にはドローン配送を行うことで温室効果ガス排出量を削減し、持続可能な物流網を構築することを目的に実証を実施した。

実施内容

 配送困難地域が複数点在する宇目地域において、集約した荷物をドローン配送で共同配送し、脱炭素・物流効率化を検証するデモンストレーションを実施した。

 NEXT DELIVERYが全国で実施している新スマート物流SkyHubの知見を活用し、地域の担い手となるコープおおいた・コープサービスおおいたと連携して共同配送やドローン配送の実施を検証した。セイノーHDは共同配送実現のため物流各社の調整役として、宇目地域に配送している物流各社に対して調査・ヒアリングを行った。

 2025年2月13日の報道関係者への公開では、宇目保健センターをドローンデポ(※1)と想定して、コープサービスおおいたの荷物と宅配荷物を集約し、宇目保健センターから個人宅までの片道約5km・約13分を、2つの荷物を混載してドローン配送した。

 使用した機体は、エアロネクストとACSLが共同開発した物流専用ドローン「AirTruck」。飛行レベル3.5の自動遠隔運航により実施した。

※1 既存の陸上物流とドローン物流との接続点に設置する荷物の集積・配送の拠点・倉庫。

写真:荷物を置いてドローンが飛び立つ様子
同じ宛先の2つの荷物を混載した箱を切り離して帰還するドローン(配送先の個人宅前)
写真:荷物を手に持つ住民
自宅前にドローン配送された荷物を受け取る住民