VFRと自律制御システム研究所(以下ACSL)は、長野県企業局からの依頼により、2020年7月の豪雨で土砂崩れのあった長野県企業局大鹿発電所付近において、2020年8月13日(木)~14日(金)、ドローン空撮による状況調査を実施した。なお、この取り組みはVFRが提供する初めてのエンドユーザー向けソリューションとなる。

 VFRとACSLは、今後も長野県の災害支援に協力していくと共に、新たな社会インフラとしてのドローンの普及に向け、両社での連携をより強化し、共同での機体開発に加え、高度な産業用ソリューションについても調査・検討を進めていく、としている。

調査実施中のドローンの様子

調査概要

場所 :長野県企業局大鹿発電所(長野県下伊那郡大鹿村大字大河原)付近*
 *小渋川取水口から小渋川沿い約3km/御所平取水口から小河内沢川沿い約500m

日時 :2020年8月13日(木)~14日(金)

目的 :長野県における「令和2年7月豪雨」により土砂崩れで人が立ち入れないエリアの被害状況調査

内容 :ドローンによる調査エリアの空撮(補助者なし目視外飛行)

各社の役割
1. VFR:ソリューション提供(長野県・ACSLとの調整、航行管理、調査管理等)
2. ACSL:調査用機体(ACSL-PF2)提供、航行プログラム策定、飛行操作

所属課室 :長野県庁企業局電気事業課

調査実施の経緯

 VFRは2020年3月の設立以前より、長野県の課題をドローンで解決するソリューションの提供についてディスカッションを重ねてきた。2020年7月の長野県豪雨を受けて、改めて長野県に対して災害支援へのドローン活用をVFRが提案したところ、この依頼を受け、協業先であるACSLと共同で状況調査を実施することとなった。ACSLは、災害調査や物資救援等でのドローン活用の経験を有しており、2017年7月九州北部豪雨で内閣府の要請により航空法の特例措置を受けて目視外飛行を実施、2019年10月には台風19号の被害に伴う東京都からの要請を受けて奥多摩町へドローンによる緊急物資輸送を実施している。

長野県庁企業局電気事業課のコメント

 当局でも積極的なドローンの活用を行っていますが、当該地点のような遠方の山岳地帯での飛行には経験・技術面で困難な部分があります。今回、高機能なドローンを活用できたことで、効率的に調査を進めることができ、被害が想定された取水口付近の状況がより正確に把握できたため、非常に有意義な結果を得ることができました。

調査実施の様子

ACSL-PF2からの空撮写真

調査メンバーが集合する調査開始地点。
小渋川取水口に向かう途中で確認された土砂崩れの様子。
御所平取水口。異常のないことを確認。
【調査の様子をまとめた動画】
2020年7月長野県豪雨災害における飛行調査

VFRとACSLの協業内容について

・VFRのコンピューティング技術・ロボティクス技術と、ACSLの機体開発技術・自律制御技術等を活用し、ACSLの既存機体(ACSL-PF2、Mini等)のアップデート並びに用途別に最適化した新機体の共同開発を行い、2021年以降の順次導入を目指している。

・高度な産業用ソリューションを開発していくことも視野に入れ、共同での調査・検討を進めている。