DJI JAPANは5月21日に販売を開始した、コンシューマー向けドローン「Mavic Air 2」の報道関係者向け製品説明会をオンラインで開催した。Mavic Air 2は日本時間4月28日にDJI JAPANのWebサイトで発表され、すでにその概要については多くのメディア等で情報が公開されている。今回の説明会では製品の概要を説明するだけでなく、実際にアウトドアでMavic Air 2を飛行させた様子を動画で示し、フォーカストラックやクイックショットといったさまざまな撮影機能などを解説した。

5月21日からデリバリーが始まったMavic Air 2を手にする川中良之DJI JAPANコンシューマーマーケティングディレクター。

4800万画素のセンサーとAIにより、簡単に美しい映像の撮影が可能

 プレゼンテーションの冒頭、コンシューマーマーケティングディレクターの川中良之氏が、改めてMavicシリーズを紹介。2016年にデビューした初代Mavic PRO以来、2018年に先代のMavic Air、そして同年秋にはMavic 2 PRO/Zoomが登場し、2019年10月にはMavic mini日本モデルがリリースされた。そして先日発表されたMavic Air 2は、飛行、撮影、通信技術という3点において、Mavic 2以来の大幅な機能向上を実現している。「Mavic Air 2はMavicシリーズのミドルクラスの枠に収まらず、旅のVlogから映画のような作品撮りまで対応できる製品になっている」と川中氏は説明した。

Mavic Air 2(左から2番目)が加わった“Mavicファミリー”。スクエアなフォルムに原色のカラーバリエーションを展開した前作に対して、今作はほかのMavicと共通のデザインとなった。

 製品の特徴と機能はプロダクトマーケティングマネージャーの皆川正昭氏が解説した。Mavic Air 2はQuad Bayer配列の4800万画素1/2インチCMOSセンサーを搭載。動画はMavicシリーズで初めて4K 60fpsの撮影を実現し、コーデックはH.264に加えてH.265が選択可能となっている。また、FHDの8倍スローモーションが撮影できるのも、Mavicシリーズ初だという。さらに高感度のQuad Bayer配列センサーを生かし、写真、動画、パノラマの3モードでHDR撮影ができる。

DJIのコンシューマー向け製品では最大の画素数となる4800万画素のセンサーを搭載。作例写真では尖頭のタイルを精細に描き出している。

 最大で4800万ピクセルの写真が撮影できる静止画撮影では、AIがシーンを認識して最適なカメラ設定を行う「スマートフォト」機能を搭載。「夕日」「空」「草地」「雪」「森林」の5シーンを自動判別し、低照度下に対応するハイパーライト機能、HDR機能などを駆使して、シャッターボタンを押すだけで、美しい写真が撮影可能だ。

コントラストの強い景色や暗い夜景といったシーンを自動判別して、人間の印象に近い写真として撮影できる「スマートフォト」機能。

 誰でも簡単に高度なカメラワークが可能なインテリジェント機能では、「ActiveTrack3.0」「Spotlight2.0」「POI3.0」の3つの自動撮影飛行が可能なフォーカストラック機能を備えている。また、先代Mavic Airに搭載されていた「サークル」「ドローニー」「ヘリックス」「ロケット」「ブーメラン」「アステロイド」という6種類のクイックショット機能も継承。さらにMavic Air 2では高画素のセンサーを生かした、8Kハイパーラプス機能が新たに搭載された。発売時点で「フリー」「ウェイポイント」が利用可能で、「コースロック」「サークル」が後日追加される予定だ。

「ActiveTrack3.0」「Spotlight2.0」「POI3.0」という3つの飛行パターンが使えるインテリジェント機能は、Mavic 2シリーズよりバージョンが進化している。

 説明会では皆川氏がフィールドでMavic Air 2のインテリジェント機能を実際に試した様子を映像で紹介。海岸線の崖地での撮影では、「かなり風が強い中での撮影であったが、Mavic Air 2は非常に安定していた」(皆川氏)という。これらの映像はDJI JAPANのYouTubeチャンネルで見ることができる。

被写体を選択したらドローンが自動で追尾するActiveTrack3.0。この映像で右側の崖のような障害物があっても、自動で避けながら追尾を続ける。
選択した被写体と一定の距離を保ちながら周回するPOI3.0。バージョンが3.0となり新たに人、車、ボートといった動く被写体にも対応した。