2024年5月21日、コマツとその子会社のEARTHBRAINは、共同開発した建設機械向け遠隔操作システム「Smart Construction Teleoperation」の販売を開始したことを発表した。
事務所などの安全な環境から油圧ショベルを遠隔操作できるシステムであり、Smart Constructionの各種ソリューションと連携し、ダンプトラックの稼働をモニタリングしながら油圧ショベルを遠隔操作したり、1台のコックピットから複数の建設機械を切り替えて遠隔操作したりできる。システムを導入する上での使用条件や環境は顧客ごとに異なるため、条件に合わせた仕様を検討し導入を行う。
遠隔操作に用いるコックピットは「インテリジェントサークル」タイプと「スペースシップ」タイプの2種類を用意している。
コマツとEARTHBRAINは、2023年にオオノ開發の協力のもと、同システムの量産に向けた現場での検証を開始し、技術面・安全面での確認を進めてきた。この検証の中でオオノ開發は、「遠隔操作時の遅延も少なく、実機で操作しているのとほぼ遜色なく操作できるため、オペレーターが現場に行く必要がなくなり、安全性と生産性の向上につながる」と評価している。
同システムは、コマツのラジコン仕様車をベースに開発。遠隔操作の信号をラジコン操作用に変換し、信号を伝えるためのソフトウェアとコントローラーを新規開発して組み合わせている。EARTHBRAINが開発した遠隔操作用コックピットでは、建設機械から送られた高精細映像により、前後左右や作業機を確認しながら、実際の運転席同様に臨場感のある遠隔操作を行うことができる。現場の映像や制御信号の送受信には5Gを利用し、建設現場と遠隔操作拠点間を5Gおよびクラウド基盤で接続する。
【コックピットタイプと仕様】