2024年5月22日から24日に開催された建設・測量生産性向上展2024(CSPI-EXPO)で、スペースワンは水中ドローン新型機種「CHASING X」を日本で初めて公開した。
同社は、CHASING社の日本国内初の正規パートナーだ。日本国内における販売実績がCHASING社から高く評価されており、2022年、23年と日本で唯一2年連続「Best Partner賞」を受賞している。
深度350mと強力な推進力によって進化したCHASING X
本展示に合わせて、中国深セン市の本社よりCEOとCOOが揃って来日。周長根COOは、「日本市場をとても重要視しており、CHASING X発売の発表を世界に先駆けて日本で行った。CHASING Xは、よりパワフルで、より深く潜れ、かつ操作が簡単で持ち運びやすくスマートな製品だ。日本でも洋上風力発電、既存の発電設備、養殖場など、さまざまなところで活躍すると考えている」と話した。
大規模な展示ブースの入り口付近には、水中ドローンの操縦体験ができる水槽と、ソナーの実演を行う水槽が設置され、ブースの中央には「CHASING X」が大々的に鎮座していた。その奥側には、機体の進化を感じられる歴代機種も並べられ、各製品の特徴やサイズが一目で分かるよう工夫されており、その隣には同社が代理店をつとめるBlueye Robotics社「Blueye X3」も紹介されていた。
また、広々としたスペースを活かし、ブース内ではミニプレゼンテーションが数多く行われた。「水中ドローンの活用事例」と並んで人気だったのは、やはり「CHASING Xのご紹介」をテーマとしたプレゼンだ。
CHASING Xは、前方速度4.5knots(ノット)の推進力、強力な磁気結合スラスター、最大深度350mというパワフルさが魅力だという。1000Whのバッテリーを標準装備するほか、陸上からの給電にも対応した。従来機種の人気の理由でもあったオプション製品の取り付けやすさも、もちろん踏襲しているようだ。
発売は2024年12月の予定で、機体の形状はやや変更の可能性があるものの、おおよそのスペックは確定しているとのことだ。ブースに訪れていた水中点検事業者に聞くと、「このパワーと潜航深度なら、洋上風力設備点検でも活用できそうだ」とコメントした。5月28日には無料セミナーも実施予定。気になる方は視聴してみてはいかがだろうか。
最後に、CalTaが開発・提供するデジタルツインソフトウェア「TRANCITY」を活用し、水中ドローンの映像から自動で3D化した実証事例も、控えめながら紹介されていた。「フォトグラメトリによる水中の3D化は、建設業界で注目度が上がりつつある」との声は、別のブースでも聞かれた。両社の今後の展開が気になるところだ。