2024年5月22日から24日に開催された建設・測量生産性向上展2024(CSPI-EXPO)で、ジュンテクノサービスはQYSEA社の水中ドローンFIFISHシリーズの最新機種3つを一気にお披露目した。

QYSEA社「FIFISH W6 NAVI MAX」「FIFISH E-MASTER」「FIFISH X2」の技術と特長

 1つめは「FIFISH W6 NAVI MAX」で、「FIFISH W6」の後継機という位置付けだ。発売はこれからだが、最終調整中とのことで実機が展示されていた。モーターパワー向上で前方速度4knots(ノット)を実現したという。

左がFIFISH W6、右がFIFISH W6 NAVI MAX

 QYSEA社が独自開発した「Q-DVL」内蔵型で、水中での位置保持や下方衝突回避が可能になるほか、水中慣性ナビゲーションシステムが実装された。オプション製品のGNSSロケーターを追加装備することで、水中におけるより精度の高いリアルタイム位置の3D化が可能になる。

FIFISH W6 NAVI MAX。機体前方にカメラ&測距ソナー、後方に棒状のGNSSロケーターを装備した姿
既存オプション製品Qカメラに測距ソナーが追加装備され、横向き姿勢での距離ロックも可能に
オプション製品のアームには1cm幅のワイヤーを切断できるカッターがついていた

 2つめは「FIFISH E-MASTER」で、こちらは世界初公開だ。「FIFISH E-GO」の上位機種かつ「FIFISH V6 PLUS」の後継機という位置付けらしい。

 FIFISH E-GOは、昨年発売されたばかりで、AIビジョンロックやAI画像鮮明化といったソフト領域の進化や、176°の超広角4Kカメラによる視野角の広さ、電源を切ることなくバッテリー交換できるホットスワップ対応などの細部へのこだわりが光る機種だったが、FIFISH E-MASTERはE-GOをベースにしつつ標準装備をさらに拡張し、レーザースケーラーで水中測定を行う、Q-DVLで位置保持を行うなどのバージョンアップが図られた。

右から、FIFISH E-MASTER、Q-DVL、コントローラー、4 in1の水質センサー(pH、濁度、塩分、溶存酸素のデータ測定)
機体前方に測距ソナー装備
GNSSアンテナも自社開発。今回の展示に合わせて新たなオプションが多数届けられたそうで、これもそのひとつ。奥にはAIや各種センサーを活用したソフトウェアの説明が。今後の進化は要注目だ

 3つめは「FIFISH X2」で、こちらはフルカスタムでオーダーするタイプの水中ロボットだ。従来の価格帯1~2億円の大型ROVと比べて軽量かつ低価格で、なおかつペイロードは最大50kgまで搭載可能な製品だ。洋上風力をはじめとする海洋での運用が見込まれるという。

FIFISH X2
正面から見ると古代魚サカバンバスピスに似ているとの噂も

 毎年CSPIに出展してきた同社に今年のトレンドを聞いた。担当者は、「ソナーによる水中の可視化はもう当たり前で、次は水中画像鮮明化への興味関心が高まっているようだ」と話した。展示ブースでも、EIZO社の機器を外部モニターに接続して、水中ドローンで取得した映像をリアルタイムに画像鮮明化処理した様子を紹介していた。このほかにも、活用事例の紹介や、レンタルサービスプランの告知などもあった。

前方のパソコンが水中ドローンの映像データ、後方のモニターがリアルタイム画像鮮明化処理後の映像データ
活用事例
レンタルサービスプラン

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