日立ソリューションズは、ドローンで撮影した土木工事現場の画像から3Dデータを自動生成し、それをもとに分析や共有を行うクラウドサービス「DatuBIM(ダチュビム)」を取り扱っている。

 DatuBIMは、Datumate ltd.(ダチュメイト、イスラエル)によるクラウドサービスで、ダチュメイト独自のAI技術で3Dデータを自動生成することができる。日立ソリューションズはダチュメイトと国内初の販売代理店契約を締結し、DatuBIMの販売に至った。

 DatuBIMは、ドローンの撮影画像をもとに3DデータをAIで自動生成し、遠隔地からでも現場状況の把握が可能になり、関係者間でスムーズな情報共有を実現するとともに進捗管理や土量管理を効率化できる。

ドローン測量で取得した写真データとGCP座標値を用い、フライト情報を入力することで、地図上にAIが3Dデータを作成する。
標高(ヒートマップ)、マーカー表示、等高線、CADデータなどを3Dデータ上に簡単に重ね表示できるのもDatuBIMの特徴のひとつ。

 ドローンの機種に左右されることなく、取得した画像データとフライト情報の入力(日時・カメラ種別など)、GCPの座標値をアップロードすることで簡単に3Dデータを生成できるのが特徴だ。3Dデータ生成後は、断面の高さをグラフ化したり、ドローンの撮影日に応じて複数の日程の断面グラフを表示・比較したりと施工の進捗確認が簡単にできる。

異なる日の3Dデータを左右に並べて比較表示できるので、視覚的に差分を判断できる。
断面と体積の時系列比較や、CADデータとの比較も可能。

 また、CADデータを3Dデータに重ねて表示・比較することもできるので工事不良の発見もしやすく、さらにその情報を「メモ」として記入・共有する機能も搭載。あえて「メモ」というアナログ的な機能で情報共有できるのは土木現場でもインターフェイスとして馴染みやすそうだ。

任意のポイントにメッセージや関連ファイルを添付できる「メモ」機能。

 担当者によると、「ドローンの機種に依存せずさまざまな機体で取得したデータを読み込めること、CADデータをシンプルな操作で重ねて表示できることがユーザーの好評を得ている」という。また、「ダチュメイト社からドローン飛行のベストプラクティスが出ており、飛行の高度やスピード、画像のオーバーラップ率の最適な値も共有されているためオペレーションもシンプルに実行できる」そうだ。

 続けて、「建築現場はまだ目視で検査していることが多い。その目視点検を画像解析で検査したり、作業時間やコストの削減など、効率化や安全性の向上を図る製品ラインナップを増やしていきたい」と話した。