TeamViewerジャパンは、ドローンの撮影映像を遠隔地と共有するリモート接続ソリューション「TeamViewer」を出展。映像共有のほか、複数人、遠隔地への共有機能を活かしたさまざまな活用方法を提案している。

 TeamViewerはモニター共有やWeb会議システム(チャット、音声通話、映像共有)などのリモートデスクトップツールとして提供されてきたPC用のソフトウェアだ。これはAndroidやLinuxといったOSにも互換性があり、TeamViewerジャパンはAndroidを搭載するDJI製ドローンを中心に、ドローン用のリモート接続ソリューションとして販売を開始している。

 近年、リモートワークの増加によってZoom、TeamsといったWeb会議システムの利用が増えているが、TeamViewerは初めて使う人でも専門知識を必要とせずに利用できることから、全国25億以上のデバイスにインストールされている。

TeamViewerを使ってドローンの飛行操縦に集中、アプリ操作を分担

 ドローンの撮影映像をリアルタイムに共有することが、ドローン活用におけるTeamViewerの基本的な利用方法だが、TeamViewerジャパンが提案する新たな使用方法に問い合わせの声が増えてきているという。

スマートコントローラーのモニター画面を共有し、モニターをPCから操作可能に。物理的なボタン操作はできないが、モニター内の操作はマウスで可能。

 それは、DJI製のスマートコントローラーを使い、アプリケーションの操作を遠隔地や操縦とは別の送信機から行うといったものだ。近年、ドローンはカメラだけでなく物資輸送装置やスプレー噴射装置といったさまざまな機器を搭載し始めている。これらはアプリで操作するものが多く、ドローンを操縦しながらアプリを操作しなければならないが、ドローンの操縦に集中したいという声も少なくない。

 そこで、DJI製のスマートコントローラーにTeamViewerをインストールすることで、スマートコントローラーのモニター画面共有が可能になる。ドローンの操縦者はドローンの飛行だけに集中し、画面の共有先でアプリの操作を行うといった運用ができる。なお、スマートコントローラーにWi-Fiのドングルをつなぐことで、Wi-Fiによる遠隔共有も可能となり、遠隔地からの機器操作も実現する。

 ドローンの技術進歩やリスクの高い飛行が進むなかで、安全な運用に注目が集まっており、そのひとつとしてTeamViewerが注目されている。また、DJI製のドローンだけでなく、国産ドローンへのTeamViewerの導入交渉も進んでいるようだ。

NSWの土木・建設・設備向けソリューションと連携

 TeamViewerジャパンは、NSWと合同出展し、NSWの土木・建設・設備向けソリューションを遠隔共有する活用方法を提案していた。

 NSWが開発する土木・建設・設備向けソリューションは、コンクリートのひび割れの長さと幅を可視化するAI解析ソフトだ。ディープラーニングによって数多くのパターンを学習させており、補修対象となる幅0.2mmのひび検知が可能なうえに、小数点第二位の数値まで計測することができるという。検知されたひび割れは、色付きのバーチャルチョーキングによって可視化され、一目で判断することが可能だ。

 これは、DJI Phantom 4のカメラで撮影したデータから解析することもでき、被写体と一定の距離を保ってデータ取得することが求められる。点検者からは、より手軽に点検したいというニーズが高まっており、土木・建設・設備向けソリューションはスマホカメラにも対応しているというから驚きだ。iPhoneであれば、被写体との距離を計測する機能がついており、一定の距離を保って撮影することで、ひび割れを検知することができる。

 取得したデータはクラウドにアップして解析する方法のほか、高性能のPCを用いてローカルで解析する2通りがあり、現場で手早く解析することも可能だという。解析データは別途作成した3Dモデルに位置情報とともに貼り付け、劣化している場所などが一目で分かるようになっている。

 なお、TeamViewerを使い、ドローンの映像を現場と遠隔地で共有することで、遠隔地から点検箇所への指示を出すといった運用が期待できるという。