測量や警備監視、空撮向けの国産ドローンを開発するエアロセンスは、発表されたばかりの2周波GNSS搭載の後処理キネマティック測位対応「エアロボPPK」を展示した。

 PPKとは、測量飛行後のデータ後処理時に写真に記録された座標データを補正し、高精度な写真測量を実現する技術。通常ドローン測量においては100m毎に対空標識の設置が必要となるが、PPKによるドローン測量では大幅に対空標識の数を減らすことができ、特にエアロボPPKは2周波のGNSS信号を利用することにより±5cmの高精度を実現する。

機体前部の2周波GNSS受信アンテナ。従来の1.5GHz帯に加えて1.2GHz帯のGNSS信号を受け取れる。

 座標データを補正する技術でPPKに類似するRTKがあるが、リアルタイムに基準局(または電子基準点)とドローン間の通信が必要なため、基準局の現場設置や携帯電波を利用した電子基準点との通信を利用する。しかし、基準局設置の手間や携帯電話の通信ができないエリアの存在などからその手間を減らしたいというニーズがあったという。

 エアロセンスは、以前より小型軽量の高精度測位機能付き対空標識「エアロボマーカー」や、トプコンとの協業によるトータルステーションとプリズムを用いた撮影中のカメラ位置を直接計測するソリューションなど、ドローン測量の省力化を提案してきた。今回のエアロボPPKはその延長線上でドローン測量のさらなる省力化を進めることができる。

2017年に発表されたエアロボマーカー。対空標識にGPSが組み込まれている。
トプコンのトータルステーション。ドローンのカメラに設置したプリズムを追尾しカメラ位置を測定することができる。

 また、処理・解析用クラウドサービス「エアロボクラウド」もアップデート。簡易的に体積を測ったり、距離や角度を測ったりする機能が追加された。資材置き場の資材の量を測りたいというニーズが多くあり、PPKとエアロボクラウドを組み合わせることで簡単に測ることができるようになった。

エアロボクラウドは体積や距離、角度などを測定することができるようになった。アプリケーションのインストールは必要なく、ブラウザで利用することができる。

 ドローンによる写真測量では、手作業で行わなければならない対空標識の設置は大きな負担であるとともに、険しい山間地や海、災害地などでは設置自体が難しいことも多い。国産ドローンにPPKの技術を組み合わせてオールインワンで提供できるエアロセンスの技術力は、今後もドローンによる写真測量の活用の幅を広げていくだろう。