アミューズワンセルフはレーザー測量を前提に、広範囲な測量を可能にする高性能なハイブリッドドローン「GLOW.H」を展示した。

 GLOW.Hはペイロード無しで6時間以上の飛行を実現し、同社製グリーンレーザーLiDAR「TDOT 3 GREEN」(約2.7kg)を搭載しても2時間以上の飛行が可能なハイブリッドドローンだ。

 オープンソース型のPixhawkのフライトコントローラーを搭載し、エンジンはラジコン用高性能エンジンで有名な小川精機が開発した専用品だ。特に小川精機のエンジンは、他社のハイブリッドドローンに対して低回転仕様で音も草刈り機並みの低騒音になっているという。エンジンは振動を発するため、精度を求められる測量への影響も懸念されるが、担当者は「開発段階から振動することを前提に設計しており、実証実験でも取得データに問題がないことは確認している」という。

ドーム型スクリーンで機体のFPV映像を見る臨場感たっぷりの演出もあった。
アームを折り畳んだ状態のGLOW.H。アームの緩み防止アタッチメント(アームの黄色い装着物)やアーム自体の長さの再検討など、昨年末からさらに細かいブラッシュアップが行われている。
機体上部は燃料タンクをレイアウト。一般的な混合ガソリンを利用するため、燃料の調達も手間がかからずバッテリーの充電と異なり、数秒で給油できるのがハイブリッドドローンのひとつのメリットだ。
ドローン用LiDARのTDOT 3 GREEN は重量2.6kgなのでDJI Matrice 300RTK(最大ペイロード2.7kg)にも搭載可能。グリーンレーザー搭載で近赤外線では困難だった濡れているもの、黒色のもの、さらには水中の地形に対しても三次元データを取得できる。

 また、ハイブリッドドローンの用途として、離島での測量にも好評だという。通常、リポバッテリー搭載のドローンは空輸ができないため、長い場合は2週間ほどかけて輸送する。その期間、充電したバッテリーは自己放電を起こしてしまい、現地で再充電する必要がある。その点、ハイブリッドドローンは一般的な混合ガソリンを使って発電・飛行するため、充電の手間がなく直ぐに業務に当たれるのだという。

 2021年12月に開催された国際ドローン展に出展後、大きな反響を得たという。現在も開発を重ねており、発売は2023年を予定している。