便利な機能も満載

 小型バッテリーながら飛行時間は45分、充電ハブを使えばUSB-C接続で3本のバッテリーを順次充電してくれるほか、集電機能があるので電源がない状態で中途半端に残ったバッテリーを充電ハブに集めるといちばん残量があるバッテリーにほかのバッテリーから電力を再度集めることもできる。もともと飛行時間が長いバッテリーではあるが、屋外で電源がないときなどに“もうひとフライト”することが可能になっている。

写真:3本のバッテリーがささったバッテリー充電ハブ
残量があるバッテリーを挿したのち、充電ハブの電源ボタンを長押しすると集電がはじまる

 内蔵メモリーも42GBまで増大しており、これまではmicroSDカードを挿入し忘れたときに便利だった内蔵メモリーがメインの記録用メモリーとしても使えるレベルになっている。さらに機体の電源を入れなくてもスマートフォンにファイルを送信したり、PCとケーブルで繋いでUSBメモリーのようにデータ転送したりすることができるようになるなど、使い勝手の向上も図られている。

写真:機体とドローンをUSBケーブルで接続する様子
機体の電源を入れなくてもPCに接続するとUSBメモリーのように認識しデータコピーができる。地味だがとても便利な機能だ

NDフィルターがセットになったFly More Combo 2種も

 製品ラインナップは、DJI RC-N3送信機が付属した基本セット的な「DJI Air 3S(DJI RC-N3送信機付属)」(15万480円)のほか、バッグや予備バッテリーがセットになったFly More ComboもDJI RC-N3がセットになったもの(18万8,100円)とモニター一体型送信機DJI RC2がセットになったもの(20万9,000円)の2種類がラインナップ。

 Fly More Comboセットで嬉しいのは、今回からNDフィルターがセットの中に含まれるようになったことだ。Airシリーズはカメラの絞り(シャッターを開ける大きさ)がかなり明るく固定(Air 3Sはf1.8)されているため、映像をより美しく撮ろうとすると減光するためのNDフィルターは必須となるが、人気のツールとなるため発売初期は特に品切れになりやすい。そのNDフィルターがセット内に含まれるとユーザーとしてもとてもありがたいところだ。

写真:折りたたんだ機体、バッテリー充電ハブとバッテリー、NDフィルターセット、DJI RC2、ショルダーバッグ
Fly More Combo(DJI RC2付属)の同梱物。ほかに予備プロペラやUSBケーブルも付属するので、このセットを購入すればほかにオプション品を購入することなくすぐに空撮の旅に出かけることができる
写真:NDフィルター(ND8/ND32/ND128)
NDフィルターはND8 / ND32 / ND128の3枚セット。絞りのないカメラを搭載したDJI Air 3Sでは必須のアイテムだ

飛行性能の高さは折り紙付き。空撮が楽しみになる機体

 オフィス併設のケージ内でDJI Air 3Sの飛行体験もさせてもらったが、飛行性能の高さはもはや折り紙付きだ。上位機種Mavic 3 Proに似た操作感で滑らかに加減速し、高い操縦解像度とサポート機能で思い通りの動きをしてくれる。障害物検知機能やVision Assist機能で安全安心な飛行も魅力的だった。

写真:飛行するドローン
機体の飛行安定性は言うまでもない

 上位機種のMavic 3 Proがモニター一体型送信機のDJI RC付属のFly More Comboセットで36万9,600円ということを考えると、やはりDJI Air 3Sのコストパフォーマンスは素晴らしい。空撮愛好家の視点で比較すると、Air 3Sには無くMavic 3 Proにはあるカメラの絞りや4/3インチ大型センサーが購入の基準になるかもしれない。次回はそのあたりの比較も含めて屋外で空撮しながらレビューしてみたい。