写真:室内を飛行するDJI Neo

 超小型高性能ドローンDJI Neo。手軽に撮影できるコンパクトさはもちろんのこと、通常プロポ、スマホ、FPVと、いろいろな操縦(撮影)方法を楽しめるのも特徴のひとつだ。今回は、このさまざまな撮影方法を試しながらDJI Neoの実力を探っていく。

DJI Neoのフライト機能の特徴

 DJI Neoは135gの超軽量小型ながら4K/30fpsの本格的な撮影が楽しめるコンシューマー向けドローンだ。シチュエーションに合わせたさまざまな操縦方法を備えており、通常の空撮時にはRC-N3プロポ+スマホ、簡易撮影でセルフィー(自撮り)するときにはスマホのみ、FPVゴーグルで臨場感のある映像を撮ることもできる。

 また、損傷に弱いカメラやプロペラ周辺はカウルやプロペラガードに囲まれたようなデザインになっており、多少の衝突や低空からの墜落などでも損傷しにくくなっている。実際のところ、筆者もかなりの回数衝突したり墜落(低空)したりしているが、今のところ破損はない。それでもカメラレンズの傷が心配な方はサードパーティー製の保護ガラスフィルムもあるのでそちらをお薦めする(実は筆者も心配性で購入済み)。

DJI Neoのフライト(手動操縦)

写真:DJI NeoとRC-N3プロポ+スマートフォン

 まずは、送信機にRC-N3プロポ、モニターに手持ちのスマートフォンを組み合わせていつもどおりの空撮をしてみる。実際に操縦してみての感想だが、操縦感覚はMavicシリーズのような滑らかさがありとても操縦しやすい感覚だった。

 ただ、小型なので風にはあまり強くなく、風が2〜3m/sくらい吹くと煽られていたので、高高度や遠くへ飛ばす…というよりも、被写体の近くを飛ばす撮影が向いているようだ。実際、小さな隙間を通して撮影するなど、小型機ならではの撮り方も楽しめそうなので、Mavic 3やAir 3などを持っている人でもアクセント空撮用に使う、といった使い方もできるだろう。

4K/30fps、カメラ設定はオートで撮影。撮影された映像のビットレートは52Mbpsほどだった(スペック上の最大ビットレートは75Mbps)。機体が小さいので柵の隙間など狭いところもかんたんに通すことができる。
写真:DJI Neoで上空から撮影したダム
ついでに写真もパチリと(カメラ設定はオート)。メリハリもありそれほど悪くない。ただし、RAW撮影はできないので撮影時に明るさなどの設定はちゃんとしてから撮影したほうがよい

DJI Neoのフライト(自動操縦)

写真:DJI Neoとスマートフォン

 DJI Neoの魅力のひとつはクイックショットによる自動操縦撮影だろう。ちょっとしたセルフィーにはちょうどよい。使いやすいのは、定番の「ドローニー(機体が手元から離陸し最大10m離れながら撮影する)」か「ロケット(被写体の真上に上昇し真俯瞰撮影する)」だろう。

・クイックショット:ドローニー

4K/30fps、カメラ設定はオートで撮影。高度はあまり高く上がらないようだが最大10mほど離れてくれるので全景が撮れる

・クイックショット:ロケット

4K/30fps、カメラ設定はオートで撮影。この日は2〜3m/sの風が吹いており、少し高度が高い空域に行くと風に煽られていた。超小型機なだけにあまり風には強くないようなので、そのような日は高度を低く抑えてあげるとよい

 注意点としては、予め飛行経路上の安全を確認し、適切な距離や高さの変化をアプリ上で設定したうえで飛行させることだ。これを無計画に飛行させてしまうと思わぬ接触や墜落を招きかねないので注意してほしい(DJI Neoは前面や後方、側面に障害物検知センサーはない)。

 また、機体が目視から消える「フォロー」や「サークル」「ブーメラン」などの飛行は目視外飛行という国土交通省に申請が必要な飛行になるので、事前に飛行承認を得て飛行するか、操作介入できるプロポを持った人が常に機体を目視した上で飛行させる必要がある。

DJI Neoのフライト(FPV)

写真:DJI NeoとDJI FPV送信機 3、DJI Goggles 3

 別売りのGoggles 3とDJI RC Motion 3やDJI FPV送信機 3を組み合わせると、DJI Neoは小型FPVドローンとしてフライトさせることができる。先日発売されたDJIのFPVドローンAvata 2よりも小さな機体サイズのDJI Neoは屋内でのFPV飛行やちょっとした狭い場所での飛行にぴったりの機体だ。

4K/30fps、カメラ設定はオートで撮影。FPV飛行は完全に目視外飛行となるので国土交通省に飛行申請した上で楽しむこと(映像は国土交通省に飛行申請し、飛行経路の立入管理措置を行った上で飛行を実施)

 今回は屋内の飛行から屋外の庭を飛び回るというシチュエーションで空撮したが、何はともあれ「楽しい」。場所を選ばないコンパクトサイズの機体と操縦しやすい機体性能。今回のようなシチュエーションでは何か小さな乗り物に乗って探検するような体験を擬似的にすることができた。

 また、映像としても、空撮機として撮影した際には映像の水平が維持されていたDJI Neoだが、Goggles 3に接続した途端、FPV特有の画面を傾けながら飛行する臨場感たっぷりのまさにFPVドローンに変貌した。機体の最小回転半径も小さく設定されるようで、小回りの効いたクイックな飛行も楽しむことができた。

1機で3機分遊べる、DJI Neoは飛ばして楽しい空撮ドローン

 DJI Neoは、空撮ドローンとしても、セルフィードローンとしても、そしてFPVドローンとしても遊べてしまうとても楽しい機体だ。安全と破損に配慮したデザインと軽量な機体重量により、これまでのドローンよりも安心して遊ぶことができる。

 ただ、ひとつ残念なのは、日本国内においては135gでも Mavic 3 Pro(958g)と同様の法の手続きが必要になるということ。法のルールを正しく理解して、楽しくDJI Neoで愉しんでほしい。

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https://drone-journal.impress.co.jp/docs/special/1186535.html