4月にアメリカのサンディエゴで開催された「XPONENTIAL 2024」で、世界各国のドローンショー企業が競ってアピールしていた「花火搭載ドローンショー」が、遂に日本にも上陸した。
レッドクリフは2024年10月24日、「Redcliff 花火搭載ドローンショー」の特別見学会を千葉県内で行った。当日は、1000機のドローンショーを実施し、そのうち200機に花火を搭載。事前に設定したプログラム制御により、花火を自動噴射する様子をお披露目した。招待者限定企画だったが、80名前後は集まっていたのではないだろうか。
佐々木社長は、「当社もまだ研究途中だが、せっかくならテストフライトを皆さんにも見ていただきたいと考えた。今後、花火搭載ドローンをどのように使っていただくかは、皆さんのイマジネーションにお任せしたいとの思いから、今日は抽象的なモチーフにした」と挨拶した。
レッドクリフはすでに、花火搭載ドローンショーの実績が3回あるとのこと。佐々木氏はプレゼンテーションで、「火の鳥」や「ロケット発射」などのモチーフで実施事例を紹介しつつ、「今日ここで火の鳥をやってしまうと、皆さん火の鳥をやりたくなってしまうので…」とコメント。
音楽や他の演出と同期したショーが実現できることや、イベントやブランドのテーマに合わせた独自性の強い演出ができることなども、花火搭載ドローンショーの魅力的なポイントとなりそうだ。説明員は、「1機体につき3発の花火を搭載し、3回噴射できる。事前に設定されたプログラム制御で、特定のタイミングで花火に着火する」と話した。
また、鋭意開発中のフラッシュモジュールをはじめ、スモークやランタンなど、バリエーション豊かなオプションも紹介された。
もう1つ、別企画のミニドローンショーも披露された。秒速3mと4mという飛行速度が異なる100機ずつのドローンショーを、同一エリア内で左右に並べて同時に行い、表現や感じ方の違いを体感するというユニークな検証だ。都心部など限られた空間でのドローンショーでは、機体数も増やしづらく、表現に苦慮することもある。そこで、飛行速度を変えることで、より魅力的な演出をできないかという試みだ。アップテンポな音楽に合う、文字などの視認性が高まるといった効果がありそうだ。
ドローンショーの魅力は、「表現力」「集客力」「拡散力」。自治体などのイベントにおいては協賛金の増加など、広告目的であれば顧客体験価値の向上や二次拡散力の高さなど、また音楽やエンタメなどのオリジナルな演出、個人向けのスペシャルイベントといった、さまざまな顧客層に対する導入メリットも明確になってきた。花火搭載をはじめとする進化は、ドローンショービジネスがさらに盛り上がる起爆剤となりそうだ。