2023年1月11日、自動車教習所系ドローンスクールの主要4団体などが参加する包括組織「指定自動車教習所ドローンスクール協議会」(指ド協)が発足し、都内のホテルで設立総会を開いた。この日は、日本UAS産業振興協議会(JUIDA)のような大手管理団体から教習所系の業界内管理団体まで、計9つの団体に所属するスクールなど82校が管理団体の垣根を越えて結集。相互の情報共有や教育力の向上、国への発言力強化が狙いで、将来的には国家ライセンス制度の拡充や改善に際して国土交通省から意見を求められる組織を目指す。設立総会には、全国のスクール関係者ら137人が集まり、五十幡和彦代表(埼玉県羽生モータースクール代表取締役)は「管理団体を横断した組織は類例がなく日本初。指定自動車教習所の教育力と信頼を活かし、ドローンライセンスを取るなら教習所という流れを皆さんと築いていきたい」と挨拶した。

指ド協の設立趣旨について説明する五十幡和彦代表。

全国でも有数規模の団体へ、安全意識や指導力、地元からの信頼を武器に差別化を図る

 指定自動車教習所とは、都道府県公安委員会から指定を受けた教習所のこと。卒業生は試験場での実地試験(技能試験)が免除されるなどの利点がある一方、公安委員会から毎年監査を受けるなど厳しい設置要件が求められている。

 指ド協の発起人団体は、業界内管理団体の「全国自動車学校ドローンコンソーシアム(ジドコン)」「ドローン検定協会/ドローン教習所(ドロ協)」「トリプル・ウィン・コミュニケーション(TWC)」と、JUIDA加盟の教習所系ドローンスクール団体「全国教習所ドローン協議会(DDA)」。このほか、上記の4団体以外の団体や無所属のスクール、開校検討中の教習所も参加しており、150校以上とされる教習所系ドローンスクールのうち関係スクール数は100校超に上る。今後も加盟数は増加する見込みで、全国的にも有数規模のドローンスクール組織となる。

 今後は、年に1~2回の共同セミナー開催や管理団体の垣根を超えた交流会を通じ、教科書や機体、指導方法の情報交換をはじめ、教習所系ドローンスクールの開校支援などを業界包括組織として多角的に推進する。

設立総会には全国から137人の関係者が集まった。

 総会では、教習所以外が運営するスクールに対する教習所系スクールの強みとして、①「交通事故防止を最優先に考える安全意識教育」、②「運営組織の法令順守・コンプライアンス意識」、③「全国指定自動車教習所学科教習競技大会などを通じて磨き続けてきた教える技術」、④「60年以上にわたって卒業生を送り出してきた地域からの信頼」の4点があることを確認。

 設立趣旨では、①「『ドローンライセンスを取るなら教習所が運営するドローンスクールへ』という流れを築き上げる」、②「国交省からドローン講習に関して意見を求められるまでの質の高い講習を行い、実績を積み重ねる」、③「全日本指定自動車教習所協会連合会にも…ドローン講習の実態を報告・理解してもらう」、④「相互サポート(相互事業支援)を行う」、⑤「空飛ぶクルマの教習機関となる」を掲げ、総会での拍手をもって正式承認した。