2024年8月23日、米国で空飛ぶクルマを開発するASKAは、公道走行が可能な4人乗りハイブリッド電動垂直離着陸機（eVTOL）「ASKA A5」フルスケール機で、テザー（ロープ）を用いた無人飛行試験が順調に進捗していることを発表した。
テザーを用いた無人飛行試験はカリフォルニア州の飛行試験場で実施しており、7月に特別耐空証明を更新して以降、推力、飛行制御、電力、熱システムの性能について、さまざまな環境下における振動、温度等の飛行データやシステムパラメータを取得している。同試験により、機体の操縦性、安定性、地面効果の影響評価を含む広範囲での飛行制御パラメータの調整も実施している。
試験機は2023年7月に最初の特別耐空証明を取得し、これまでに350回以上のテザーを用いた無人飛行試験を実施している。今後、特別耐空証明とFAAによる認証書（COA）のもと、高度60m以下での垂直離着陸、ホバリングに関する飛行試験を予定している。
現在実施中のStage1の飛行試験後、従来の航空機のように滑走路を用いた離着陸、および垂直離着陸と巡航飛行との遷移飛行試験を行う。
同試作機は飛行試験と並行し、米国自動車管理局（DMV）よりナンバープレートを取得して公道での走行試験のほか、主翼等の展開／格納による飛行モードと走行モードの円滑な切り替えなどの地上試験もすでに実現している。
4人乗り（パイロット1人、搭乗者3人）のASKA A5はヘリコプターのように垂直離陸し、小型飛行機のように飛行する。翼を格納するとSUV程の大きさになり、公道を走ることができる。飛行も走行も電動だが、バッテリーシステムに加え、ガソリンエンジンをレンジエクステンダーとして搭載して飛行中にバッテリーを充電するプラグインハイブリッドを採用している。離陸後の飛行航続距離は250マイル（約400km）、最高飛行速度は時速150マイル（時速約240km) 。