2019年11月18日、ゼンリンデータコムは、JR北海道と共同で、非GPS環境のトンネル内でドローンを自動飛行させる実証実験を行ったことを発表した。

 JR北海道では、これまで人の目や手で行っていた検査の一部についてドローンを活用することを検討し、試験を行っている。

 同実証実験は、これまでJR北海道が徒歩と目視により行ってきたトンネル内の検査や点検の一部に、ドローンを飛行させ撮影した画像を活用する事で、将来的な労働力不足などを見据えた設備の維持管理の効率化、線路内立ち入り機会の減少による作業時の安全性の向上を目的としている。

 非GPS環境下での安定飛行には、周囲の状況や対象の形状を把握し、その形状を基に自己位置を認識することが必要である。例えば、レーザーセンサーやカメラ認識技術を用いて、トンネルの断面形状をリアルタイムに把握し、その瞬間にどの位置にいるかを把握する、といった技術開発が必要となる。

 ゼンリンデータコムは同実証実験においてドローンの飛行に関する技術サポートを担当し、今後もJR北海道と共同で研究開発していく予定だという。また、将来的にはドローンの撮影画像を活用し、AIによる解析等を行うことも検討している。

左:【現在】トンネル壁面の変状を目視により確認、右:【将来】トンネル壁面の変状をドローンにより撮影
実際の飛行の様子

トンネル内(非GPS環境)でドローンを自動飛行させる実証実験について

・実験日時:2019年8月6日~9日
・実験場所:阿分トンネル(廃線トンネル)
・内 容 :非GPS環境でドローンを自動飛行させトンネル内を飛びきる
      ドローンによるトンネル内飛行動画・静止画の撮影