2019年2月27日、テラ・ラボは、衛星通信を活用した長距離無人航空機の実用化に向けて、福島ロボットテストフィールド(福島県南相馬市)及び周辺施設を量産化拠点として計画を開始したことを発表した。

量産化拠点となる格納庫(イメージ)
実用化・量産化を目指すテラ・ラボ自社開発機体の様子(イメージ)

 実用化・量産化の拠点として計画を進める福島ロボットテストフィールドは、福島イノベーション・コースト構想に基づいて福島県等が整備する世界に類を見ない一大研究開発拠点で、500m級滑走路や通信塔などの様々な研究開発設備を有している。

福島ロボットテストフィールド(完成予想図)

 同社は、2014年から愛知県で研究開発・実証試験を進め、2018年8月には大樹町多目的航空公園(北海道・大樹町)にて、自社開発中の長距離無人航空機(翼長4m)の自動制御による連続100km航行の飛行試験に成功した。

100km自動航行に成功した自社開発機体
100km自動航行に成功した自社開発機体の飛行中の様子

 同社は、今後も衛星通信による制御等の実験を重ね、災害発生時に被災地に立ち入ることが困難な場合でも遠隔地から初動における災害情報支援ができる社会システムの実現を目指し、実用化・量産化の体制構築に着手する。将来的には、無人航空機だけでなく、有人機や船舶、車両等、より多くの情報収集デバイスと連携を取り、統合型空間情報プラットフォームを確立していく、との展望を示した。

実現を目指す災害情報支援ができる社会システム(全体像)