写真:福島県合同ブース

 第3回ドローンサミットが2024年10月1日・2日、北海道 札幌コンベンションセンターで開催され、福島県、福島相双復興推進機構、福島イノベーション・コースト、福島ロボットテストフィールド、イームズロボティクス、OKUMA DRONEが合同ブースを構えた。

 会場でひときわ注目を集めたのが、イームズロボティクスの第二種型式認証機体「E6150TC」だ。ブースのコーナーに設置されており、入れ替わり立ち替わり多くの来場者が話し込んでいた。

写真:イームズロボティクスのブースに展示された「E6150TC」
第二種型式認証機体「E6150TC」

 この機体は、イームズロボティクスが数年前から協働してきた佐川急便からの要望も踏まえて開発した物流用ドローン。すでに販売中だが、出荷はこれから。部品変更に伴う型式変更を申請中とのことだ。今後は、早期出荷を目指すとともに、「牛の検体を運びたい」という北海道独自のニーズや、冬場には氷点下になるという寒冷地ならではの気候特性を鑑み、道内での実証実験も予定しているという。

写真:E6150TCの外観
写真:E6150TCなどのパンフレット

 また、屋外で行われた「能登半島地震を踏まえた災害時のドローン活用デモフライト」では、佐川急便がトラックと「E6150TC」を用いた実演を行った。

写真:鈴木知事など10人の集合写真。その前には2機のドローン。
災害時のドローン活用デモフライトは、JUIDA、佐川急便、KDDIスマートドローン、Liberaware、双葉電子工業、日本DMC、チェンジが共同で実施し、北海道知事の鈴木直道氏も視察に訪れたほか、多くの自衛隊員たちも見学していた。右側の機体が「E6150TC」
写真:トラックの荷台からドローンを複数人で運び出す様子
佐川急便のトラックから機体が運び出されるところ

 展示ブース全体としては、福島県に関わっているドローン事業者を「オール・フクシマ」として紹介したところが面白い。福島県ドローン産業界で活躍する数多くの事業者を、「建設」「警備」「林業」「物流」「測量」「生育調査」「生態・環境調査」「農薬散布」「販売」「空撮」「点検・保守」「災害対応」「スクール」という分野別にマッピングしたパンフレットが用意されていた。

写真:パンフレットを手にした李社長
パンフレットを用いて説明するOKUMA DRONEの李社長
写真:福島県のドローン関連企業を分野ごとに分類したパンフレット
合計42社がどの分野で活動しているかが一目で分かる。これを辿れば、分野別の産業動向まで把握できそうだ

 展示ブース内には、本展示の企画や運営でも尽力したというOKUMA DRONEをはじめ、水素ドローン産業化推進協議会、水素燃料電池ドローンを開発するロボデックス、飛行艇型UAV「HAMADORI」のスペース・エンターテインメント・ラボラトリー、小型空撮ドローン「蒼天」の米国進出で躍進中のACSL、空中ドローンと水中ドローンの両刀かつ水上エンターテインメントをCESで発表予定のスペースワン、VTOL機やネストドローンの目視外飛行ソリューションを提供するエアロダイン、森林資源測量や苗木運搬を手がける東光ホールディングスなど、実力派事業者らのパネルがずらりと並んでいた。

写真:ロボデックスの展示パネル(水素燃料電池ドローン)
写真:水素ドローン産業化推進協議会の展示パネル(水素ドローン)
写真:スペースワンの展示パネル(水中ドローン)
写真:東光ホールディングスの展示パネル(苗木運搬ドローン)

 イームズロボティクスの機体の隣には大型モニターが設置されており、福島ロボットテストフィールドの施設紹介も大々的に行われていた。福島ロボットテストフィールドは、陸海空のそれぞれのフィールドを使って各種ロボットの試験をできる大規模な施設だ。担当者は、「緩衝ネット付き飛行場もある。この中だと航空法の適用除外になる」などと説明した。

写真:モニターに映る「緩衝ネット付き飛行場」

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