エレクトロニクス専門商社のジェピコは、6月26日から28日までの期間、幕張メッセで開催されたJapan Drone 2023に出展した。1億画素の空撮用高精細カメラを使った空撮、画像処理ソフトによる点検を発表。さらには、農業向けソリューションを提案した。

ドローンによる高解像度画像と3Dデータ、AIによって点検作業を省力化

 点検ソリューションでは、双葉電子工業のドローンに1億画素で鮮明なデータを取得できるPhaseOneの点検・検査向けカメラを搭載。橋やダムといったインフラ構造物の点検・検査を想定したもので、撮影した画像をSfMソフト「PIX4Dmatic」で解析し、3Dモデルを生成したり、アセット管理ソフトウェア「PIX4Dinspect」によって点検とアセット管理を自動化するソリューションを提供している。高精細画像により、大規模設備の状況分析やメンテナンスの最適化に貢献するという。

PhaseOneの1億画素カメラ。
双葉電子工業のドローンにPhaseOneのカメラを搭載。
アセット管理「PIX4Dinspect」の画面。

 農業向けでは、農作物の発育状況を把握するソリューションを提供している。空撮した写真をもとにソフトウェアで解析し、センシングを行う。作物分析に適したソフトウェア「PIX4Dfields」も展示していた。

農作物撮影用のカメラと作物分析ソフト。

 担当者によると、点検ソリューションは、建設会社や電力会社、インフラ事業者などからの問い合わせが増えているという。PhaseOneのカメラはDJIの機体にも装着が可能となっており、点検以外の用途への需要も増加しているという。

 ジェピコでは今後、AIの活用によって点検作業の効率を高めようとしている。担当者は、マクニカが提供する、共創基盤「Re:Alize」を使ってAIを導入する構想を話した。

「Phase Oneで撮影した画像に写り込んだクラックなどをAIで自動診断することにより、効率的な点検が可能となることが期待されています。近年、設備点検作業者が減少していますので、作業の省力化・省人化に貢献できると考えています。AI活用は点検分野だけでなく、農業や森林保全、施工管理などにも応用できると考えています」

画像解析AIによってさらなる省力化を目指す。

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