ブルーイノベーションのブースでは、同社が開発するデバイス統合プラットフォーム「Blue Earth Platform(以下BEP)」による「スマートシティ・ロボティクスプラットフォーム」の実現に向けたパートナーとの取り組みなど、BEPを活用した各種ソリューションの展示やデモが行われていた。ここでは、業務効率の改善やDX化、警備監視などを目的にカメラ映像の管理ソリューションを提供するセーフィーと同社が連携する「リアルタイム映像伝送・統合管理ソリューション」の展示を紹介する。

映像データで人の目を代替え 現場の“見える化”が進む

 建設現場やインフラ点検、物流・流通、警備・保安などの分野では人材不足が深刻化しており、特に現場業務での安全性の確保に加え、業務効率の改善などを目的に、データの利活用によってそれらを解決することが目指されている。なかでも、人の目を代替する映像データで現場を“見える化”することで補完される用途は多く、ウェアラブルカメラや定点カメラ、さらにドローンやロボットなどを活用した映像の利活用が望まれている。

セーフィーがレンタルサービスとして提供しているウェアラブルカメラSafie Pocket2。LTEモジュールとバッテリー内蔵型なのですぐさま利用可能。リアルタイムで映像を共有しながら音声会話が可能。
クラウド録画サービスである「Safie」のプラットフォームでは、複数のカメラ映像を一括して表示することが可能だ。常時接続では6台の映像を表示し、サムネイルを1秒毎に更新する場合は25台の画面を一括して表示できる。

 セーフィーが提供するクラウド録画サービス「Safie」は、クラウド録画に対応した専用カメラ「Safie Pocket2」をインターネットと接続し、インターネットを通じて録画映像を確認することができるサービスだ。

 具体的にはセーフィーが提供するLTE一体型の固定カメラを設置すると、カメラから送られた映像データをクラウド上に保存し、パソコン・スマートフォン・タブレットからリアルタイムはもちろん好きな時に映像を確認共有できる仕組みだ。

 複数のカメラを一元管理することも簡単で、常時配信では6台、サムネイルを1秒毎に1回更新する場合は25台の画面を一括して見ることができる。ネットワーク構築の手間やコストがかからずに、映像データを活用した業務の効率化を図れることから人気のサービスとなっているという。

ドローンやロボットの映像データとその他のカメラ映像データを一元管理する

 今回の連携はSafieのユーザーから、ドローンの映像も一緒にSafieのプラットフォームに保存できないかという要望が多かったことも背景の一つ。
 セーフィーの担当者は「弊社のユーザーは、さまざまな場所の映像を撮影し、管理したいというニーズがある。ドローンで撮影された映像も例外ではない。すでにドローンの映像データは、LTEを介して数カ所の拠点で共有するプラットフォームが提供されているが、その他のデバイス映像とは連携されていない。ドローン+固定カメラ+ウェアラブルカメラの映像データの一元管理は、協業だからこそ実現できた」と話してくれた。

両社のプラットフォーム連携イメージ。
ウェアラブルカメラや固定カメラと、ドローンに搭載されたカメラ映像を一元管理することが可能となる。

 両社の連携で、ドローンオペレーターはBEPを、映像管理者はSafieのプラットフォームをそれぞれ活用して統合管理ができるという「リアルタイム映像伝送・統合管理ソリューション」となっている。

 たとえば遠隔地のドローンポートからドローンを飛行させる場合、セーフィーのカメラでドローンポート周辺の安全を確認するといった使い方のほか、任意の時間にさかのぼってすべてのカメラの同期をとり、時系列を合わせて映像を確認することも容易となる。

 現在、「リアルタイム映像伝送・統合管理ソリューション」のサービスは試験中で、映像を一元管理するビジョンをユーザーがテストしているという。

 一例として消防防災関係での利用方法を紹介しよう。
 災害が同時多発的に発生した場合、それぞれの現場に隊員が向かわなければならないが、セーフィーのウェアラブルカメラを個々の隊員が装備していれば、ドローンのGPS(ブルーイノベーション)、ウェアラブルカメラ(セーフィー)でマップ上に表示することが可能となるので、どの隊員のカメラなのか一目でわかり、応援の隊員をどの隊員に向かわせるかも簡単に判断できる。さらには、Safieで複数の映像を同時に表示でき、音声会話が可能なので、作業の様子を指揮隊(管理者)や熟練者が確認できる。これにより、これまで一対一でしかアドバイスできなかったが、一対nのアドバイスが可能となり、災害対応や人命救助において素早くかつ精度の高い作業を実行できると好評だという。
 その他の業務で活用するユーザーからの評判もよいとのことで、製品化に向けてユーザーの声を汲み取ったアップデートを重ねていくとしている。

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