ドローン、AIなどによるインフラ点検事業者サポートを行うジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW)は、定期巡回に適したドローンSunflowerやインフラ点検に適したドローンSkydioなどを展示した。

人手不足な警備業界の課題を改善する警備用ドローン「Sunflower」

 2020年に実施された全国警備業協会の調査では約93%の警備会社が人員不足を認めており、警備員を十分に配置できないことから、警備業務を新たに受けられない状態であると発表されている。近年、警備や防犯を目的としたドローンの実証実験が各社で進められているが、バッテリー充電などは人間が行う必要があった。

 今回JIWが展示したドローンSunflowerは、警備業界の人的コストを削減できる、充電から飛行までを全自動で行うドローンだ。世界最大級の技術見本市CESで特賞を受賞している機体であり、海外では知名度が高いが、日本国内でSunflowerが展示されたのは今回が初めてだという。

 Sunflowerの特徴である15分ごとに飛行と充電を繰り返すことに注目してもらいたい。飛行時間としては15分のみのため短時間ではあるが、その後自動で充電ステーションへ戻り15分で充電が完了したら自動で15分飛行に向かうというサイクルだ。

 搭載されているカメラは1920×1080フルHDではあるものの、担当者は画素が粗いため点検には向かず防犯・警備に特化している機体だという。

 また、Sunflowerは全天候型ドローンであるため、雨天時や降雪時のような悪天候の中でも飛行できる。元々はホームセキュリティ用ドローンとして侵入者確認等に用いられていたが、端末にライブ配信する機能や、物体回避センサーなどの機能が搭載されていることもあり、警備用ドローンとしては申し分ないドローンだ。

Sunflowerと異なるニーズに対応する点検用ドローン「Skydio」

 ジャパン・インフラ・ウェイマークはSunflowerのほか、Skydioも取り扱っている。Sunflowerは全天候型ドローンではあるものの、鉄塔や橋梁などの点検に向くドローンではない。SkydioはGPSが届かない環境や磁場の強い環境でも安定して飛行できるドローンであるため、鉄塔のように素材自体がGPSや磁場を狂わせる原因となるものでも安全に点検可能だ。また、Skydioは狭い部分に侵入して細かい箇所も点検できる機体であるため、より綿密な点検が必要となる発電所などにはSkydioを使用するサービスを提供している。

 また、点検業務だけでなく、Sunflower同様に巡回警備への活用も可能で、担当者は「提携している綜合警備保障(ALSOK)は重要施設の警備などを定期的に行っているものの、人員不足が課題となる現状を踏まえ、全ての警備を人間が行うのは非効率であるためドローンで補える部分の警備をSkydioで実施することにより、人員不足の解消に取り組んでいく」と語った。

 一般市民の安全を支える警備会社やインフラ会社のニーズに合ったドローンサービスを提供するJIWは、今後も文字通り縁の下の力持ちとしてドローンによる安全提供に大きく貢献していくことが予想される。

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