DroneWorkSystemは機体開発、実証実験サポート、ドローンスクール事業と幅広くドローンビジネスを展開している。ドローンサミットでは、ドローン測量・点検・運搬事業を扱う古河産業からの依頼で開発した最大積載量49kgを誇る物資運搬ドローン「EAGLE49」をメインに出展し、そのほか「EAGLE15」や教習用ドローン「TRANER ACEⅢ」などを展示した。

最大積載量49kgと重量物資を運搬できるドローン「EAGLE49」

EAGLE49はDroneWorkSystemが開発したEAGLE15/24/40に次いで開発された、物資運搬用ドローン。

 EAGLE49は古河産業からの依頼でDroneWorkSystemが開発を開始した機体であり、山林開発工事のような場面を想定した急斜面の山岳地帯でも安定して重量機材を運搬できるのが特徴だ。

 重量級機材を現場に運ぶ際、道が舗装されている場合はモノレールや農業用重機などを使用する方法が一般的である。しかし山岳地帯が現場の場合、舗装された道が少ない上に急斜面が多いため、モノレール等での機材運搬が難しいことが多い。そのため山岳地帯で重量機材を運搬する場合は、急斜面のない場所を選定するか運搬コストのかかるヘリコプターで機材を運搬する以外の方法がないという課題を抱えていた。

 今回DroneWorkSystemが開発したEAGLE49はその課題を打破するドローンであり、ヘリコプターよりも低コストかつ安定した飛行で重量機材を運搬できる。

 担当者によると、すでに開発されているEAGLE40の最大積載量40kgを超えるドローンを作るために、まずは運搬物資の重量に耐えられるモーターを探すところから開発は始まったという。また、プロペラやアームに求められる耐久性も最大積載量ごとに異なる。そのため、試験開発の際には運搬する荷物の重量ごとにパーツ素材の厚みや耐久性をチェックしたそうだ。

安定した飛行で重量機材を運搬できる物資運搬ドローン

 多くの物資運搬ドローンにおける飛行リスクとして、運搬物の重量によって飛行中に機体全体が揺れてしまい、機体落下の可能性が否めないという懸念がある。しかし、DroneWorkSystemの開発しているEAGLEシリーズではこの懸念を改善する、横揺れ自体を軽減する機能がある。DroneWorkSystemが独自開発しているフライトコントローラーは、横揺れが発生した際に機体全体ではなく運搬物自体が半回転する機能が組み込まれている。このため、運搬物の重量に依存する横揺れが発生しても、EAGLEシリーズの機体であれば運搬物の半回転によって安定した飛行を実現できる仕組みとなっている。

 DroneWorkSystemはEAGLEシリーズの他、ドローンスクールの空撮練習機として利用できる教習機「TRANER ACEⅢ」もドローンサミットで展示した。TRANER ACEⅢは主にDPA(一般社団法人ドローン操縦士協会)に所属するドローンスクールで利用されており、空撮練習を実施して機体が故障した際も、サポート依頼を出せば当日または翌営業日には代替機を発送するサポート体制を整備している。

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