国産ドローンメーカーのイームズロボティクスは、リモートID送信機・受信機をはじめとする「リモートIDソリューション」をリリース。それに加え、物流ドローンなど開発中の最新型ドローンを展示した。

6月に開始した機体登録制度に対応する「リモートIDソリューション」を発表

 6月20日に開始したドローンの機体登録制度により、100g以上のすべての無人航空機に対してリモートIDの搭載が義務化され、リモートID機器に注目が集まっている。

 イームズロボティクスが開発したリモートID送信機は、IP54相当の防水・防塵性能を有し、さまざまなドローンに搭載可能。通信はBluetooth5.0を使用し、電波到達距離は最大1500mという特徴を持つ。

リモートID送信機は、重さ約33g、外形寸法60×30×22mm。約1時間の充電で稼働時間は8時間以上。万が一、機体を紛失(ロスト)しても捜索などに活用できる(要受信機)。

 リモートIDの電波を受ける専用受信機となるリモートID受信機は、国内向けBluetooth5.0とWi-Fi Aware、Wi-Fi Beaconの3方式に対応し、海外メーカーのドローンが発するリモートID電波の受信にも対応している。リモートID電波は一般のドローン操縦者が受信できるものではなく、リモートIDの管理・監視を目的とした製品のため、主に、重要施設の管理者や警察関係者などに販売される。

中央のリモートID受信機は、外形寸法110×40×150mm、約240g。右が産業用ドローン向けの「LTE通信モジュール」。携帯3キャリアに対応。映像伝送やテレメトリー情報などを地上局通信しドローン本体を制御できる。

 また、イームズロボティクスは、共同印刷と「ドローン飛行情報確認システム」を共同で構築。そして、遠隔地からでも飛行中のドローンの情報を把握できるリモートIDソリューションを発表した。

 ドローン飛行情報確認システムは、リモートID送信機から発信された電波をリモートID受信機で受信し、GW(ゲートウェイ)と連携、データをクラウドに保存するといった仕組みだ。発信しているIDをアプリケーションの地図上に表示し、記録することで空の安全確保に活用される。ドローンの飛行位置を表示するリアルタイム表示やログ解析によってドローンの飛行経路も個別に履歴表示ができる。このシステムは、8月中の利用開始を目指しているという。

右のタブレット端末が、ドローン飛行情報確認システム画面。指定したGWを中心としたマップを表示する。クラウドシステムの開発運用、ゲートウェイアプリの開発、タブレットアプリの開発は共同印刷が行う。

最新型ドローンもお披露目!

 NEDOの「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」サイバー・フィジカル研究拠点間連携による革新的ドローンAI技術の研究開発プロジェクトでは、さまざまな課題を解決するために、AI技術を活用しながらドローンの安全な社会実装を目指す研究開発を行っている。

 イームズロボティクスの新型ドローン「NEW E6150FL」は、プロジェクトの一環で開発した物流ドローンのプロトタイプだ。飛行距離の課題解決を目的に開発しており、航空力学を応用した最先端設計を取り入れることで、飛行距離を伸ばすことに成功している。ペイロードは10kgとし、レベル4解禁に向けてブラッシュアップを続けているという。

物流用ドローン「NEW E6150FL」(参考出展)。
積載量は10kg。LTE通信モジュールと連携が可能。

 産業機械などを開発するTHKと共同開発中である「歩くドローン」のプロトタイプも展示。ドローンの飛行移動に加え、歩行移動や物をつかむなどの接触作業の機能を持たせた。4本足の高さを個別に可変調整することで、機体の水平を保ったまま、斜面や不整地での離着陸も可能にした。

「歩くドローン」(参考出展)。
「歩くドローン」デモンストレーションの様子。
JapanDrone2022で公開していた紹介映像。実際に飛行し不整地着陸する映像を見ることができる。

 さらに、イームズロボティクスはドローン・ジャパンと協働し、ドローン関連企業の技術連携が可能なプラットフォームを形成する「ドローンオープンプラットフォームプロジェクト」をリリースした。リモートID送信機と受信機は、今年のBest of Japan Drone Award 審査員特別賞を受賞。そのほか、LTEを利用し遠距離でドローンを制御するLTE通信モジュールや安全性やセキュリティに関する製品、サービスが展示されていた。