Ace-1、ラポーザ、スカイ・ジョイントの3社は、ドローンでのアクセスが難しい空域において、有人ヘリコプターで測量業務を行う新会社「株式会社ARS-tech」を設立。CSPI-EXPO2022では有人ヘリコプターを含むさまざま計測ツールの展示を行った。

 ブースでは有人ヘリコプターをメインに、Acecoreの中型ドローン「ZOE」やBostonDynamicsの四足歩行型ロボット「SPOT」などが展示されていた。

YellowScanのLiDARをインテグレートした中型ドローンAcecore「ZOE」。

 Ace-1、ラポーザ、スカイ・ジョイントの3社はドローンによるレーザー測量において、全国47都道府県で合計1,000件以上の実績を持つ測量事業会社だ。クライアントからのニーズの中でも、約200haにも及ぶ広域面積の測量や都市部上空、新幹線や高速道路をまたぐ測量など、ドローンによる測量だけでは対応しきれない相談が増加傾向にあるという。そのため、ドローンだけでなく、有人ヘリコプターをメインとして四足歩行型ロボットやローバーといったレーザースキャナを搭載する移動体を多数用意し、ドローンで対応しきれなかった場所の測量にも迅速に対応していきたい考えだ。

インパクトのある測量用の有人ヘリが展示された。座席下にはLiDAR搭載スペースが設けられている。

 例えば、建築物の測量業務では屋根や外観はドローンで対応できるが、屋内はドローンでデータを取得することができない。その場合、ローバーや四足歩行型ロボットにレーザースキャナを搭載して計測し、さまざまなツールで取得したデータを結合してひとつの測量データを作成するということがワンストップでできる。

ローバーはオリジナルで開発された。
ローバーにはLTE端末や空間計測用SLAMレーザーを搭載。遠隔操縦や障害物回避走行にも対応する。
四足歩行型ロボット「SPOT」も展示。階段のある屋内などでも走行、空間計測することができる。

 また、災害時には初動現況調査が重要になるが、ドローンは法規制や天候などによる飛行条件によって制限されることが多く運用しにくい場面も少なくない。その点、有人ヘリはドローンが運用できない場所でも運用しやすいことから、ラポーザの荒井代表は「これまで大手航空会社でしか対応できなかった部分をスピーディに対応したい」と意気込む。

 Acecore+YellowScanのLiDARやEmesentのSLAMレーザー「Hovermap」など海外の最新レーザー測量ツールを扱うAce-1に、ローバーなどオリジナル小型ロボットを開発する関連会社を持つラポーザ、坑道などの非GPS環境の測量にも対応するスカイ・ジョイントと、3社ともに得意分野が異なり、それぞれのシナジーを生んでいるという。ARS-techとしての本格サービス開始は今秋を予定している。