セキドではDJI Matrice 300RTK、DJI Matrice 30T、そして水中ドローンを軸とした展示となっていた。特にMatrice 30Tはデリバリー開始から間もない段階だったためセキドが唯一の展示となった。そのため、DJIの機体に関心を寄せる来場客が多く足を運んでいた。Matrice 300RTKは、他のブースでも展示されており、DJI製のドローンが建築・測量分野でも浸透していることが感じられた。

一体型カメラの搭載でDJI Matriceシリーズの運用が手軽に

最新機種であるDJI Matrice 30Tを展示。コンパクトなボディにMatrice 300同等の機能を持つ。
とてもコンパクトなカメラを搭載しており、光学・ズーム・赤外線・レーザーモジュールが一体になったとは思えない作りとなった。

 注目の展示となったMatrice 30Tは、これまでDJI産業機のフラッグシップとして位置付けられていたMatrice 300RTKとほぼ同等の機能を持たせてコンパクト化された機体だ。IP55の保護等級を満たし、光学・ズーム・赤外線・レーザーモジュールを搭載した一体型のカメラを備える。点検業務や災害救助などの用途においては手軽さと高機能を併せ持った理想的な機体といえる。ただし、カメラは取り外しできない仕様なので、超高解像度カメラやレーザースキャナを搭載して測量する場合は、搭載機器が交換可能なMatrice 300RTKと使い分ける必要がある。

Matrice 30Tは新設計のプロポを採用。やや大柄ではあるが、物理スイッチも多数設置してあり操作性は良さそうだ。
Matrice 30シリーズ用バッテリーステーション。右のA4パンレットと比べるとコンパクトなサイズ感が分かる。これまでのバッテリーステーションを知っている人は驚くはずだ。

 カメラが取り外せないと聞いて、多様な業務現場に対応できないのではないかと懸念を抱いたが、「カメラの取り外しができない一方で、初期セットアップが容易で業務効率が上がるといったメリットもある。初期費用も抑えられ、赤外線の有無や補償制度などの構成にもよるが60〜70%の費用(150万円〜)で導入できる」と担当者が説明してくれた。確かにMatrice 300RTKを現場に持っていくと、海外旅行に匹敵する荷物量となるのが当たり前でセッティングも一苦労だが、Matrice 30Tはキャリングケースやバッテリーステーションがコンパクトな作りとなっており、運用全体の負担が軽減されそうだ。

セキドのブースにはDJI社の新製品のほか、QYSEAやCHASINGの水中ドローンが展示された。

 神奈川県横浜市にある総面積9,000㎡の屋外フライト練習場「セキドDJI 横浜ドローントレーニングセンター」では、Matriceシリーズをはじめとする産業機の体験会を実施している。産業用ドローンを検討している方はぜひ問い合わせてみてほしい。