ドローン・ロボットの開発・販売、ドローンスクールやプログラミングスクールの運営等を行うROBOTIX JAPANは、農薬散布、点検、ソーラーパネル清掃など多彩なドローンやロボットを展示した。

コンパクトで機能が充実した国産農業用ドローン「MDMTER M6」

タンク容量6Lを備える農薬散布機「MDMTER M6」。サイズは、1580(L)×1270(W)×475(H)mm(アームとプロペラを伸ばした状態)。

 農薬散布用ドローンは大型化が進み、農薬の搭載量も増加傾向にある。しかし、日本の農業は大規模集約化が進んでいるとはいえ、中山間地の小さな圃場もまだまだ多い。そんな日本の圃場に最適なドローンとは何かを追求して開発されたのが6Lタンク機の「MDMTER M6」だ。

独自の4口ノズル。均等で安定した散布を行える。また、各ノズルの使用切り替えが可能で、散布の自由度が高い。
タンクの着脱は便利なワンタッチ式。上部から簡単に取り外し可能だ。
機体前面にはFPVカメラを標準搭載。LEDライトを備えているので、早朝での作業も安全に行える。
プロポには液晶画面を搭載しており、専用アプリで飛行位置を地図上で確認したり、FPVカメラの映像を表示するなど、飛行に必要な情報が一目で確認できるようになっている。

 散布性能にこだわり、タンクの形状やノズルの形状、設置個所を研究した結果、独自の4口ノズルと高圧ポンプを採用。散布の自由度を高めるため、各ノズルの使用切り替えができる。また、吐出量は飛行速度に応じて自動調整されるので、散布量を少なくできるのも特徴だ。

 飛行性能はGPSと高精度センサー、独自にカスタマイズしたCPUにより、自動ホバリングやレーザーセンサーを用いた性格な高度維持、自動飛行が可能。強風時でも安定したホバリング性能で、飛行中の高度維持や姿勢制御も精密に行い、オペレーターの負担を軽減してくれる。

 国産・独自開発ならではの丁寧な講習・レッスンもあり、ドローン初心者でも安心して購入・導入ができる。また、機体のメンテナンスや修理などのアフターサービスも充実している。

ソーラーパネル清掃ドローン+ロボットなど多彩なドローンを開発中

現在開発中のソーラーパネル清掃ドローン+ロボット。ドローンでロボットを太陽光パネルまで搬送し、ロボットがパネルを清掃する。

 同社では、農薬散布ドローンMDMTER M6や今までの開発経験を生かし、ニーズに合わせたさまざまドローンやロボットの開発を行っている。展示ブースには開発中の「ソーラーパネル清掃ドローン+ロボット」「点検ドローン」「天井裏・床下点検ドローン」の3つが展示されていた。なかでも来場者の注目を集めたのは、ソーラーパネル清掃ドローン+ロボットだ。

太陽光パネルを清掃するロボットのデモ。ロボットは自律走行/手動操作により太陽光パネルを清掃する。
角度のある太陽光パネルでも安定して走行できるように、ロボット下部のファンでパネルに吸い付くようになっている。

 太陽光(ソーラー)パネルは屋外にあるため、経年劣化やホコリや落ち葉等の汚れにより、発電量の低下やパネルの故障を引き起こす場合がある。また、2017年に改正されたFIT法により、太陽光発電事業者に、事業計画の提出と保守点検の義務が課せられるようになり、定期点検の重要性が増している。太陽光パネルの汚れを点検するドローンは最近登場しつつあるが、同社は清掃を行うロボットをセットにした。
 「太陽光パネルの汚れを放置すると発電量が低下してしまう。しかし、清掃するにもパネルの設置場所は高所が多いので、作業は大変なものとなってしまう。その点、ドローンで清掃ロボットをパネルまで運んでロボットが自動で清掃できれば、安全に作業よくパネルを清掃できる。作業効率はグンと上がります」と担当者は話す。デモでは清掃ロボットが作業している状況を見ることができたが、ハウスメーカーなどから引き合いもきているそうだ。

点検ドローン。飛行時間は約10分。
左:標準搭載の3軸ジンバルHD(1200万画素)。右:上部カメラはアタッチメントにより、市販の小型カメラの取り付けが可能。
天井裏・床下点検ドローン。
左:360度カメラ「Insta360」を標準搭載し、機体周辺全面の撮影が可能。右:機体前面にはFPVカメラを搭載。リアルタイムで映像を伝送する。

 その他、点検ドローンは3軸ジンバルHDカメラ(1200万画素)を搭載しており、約10分間フライトが可能。機体上部にはアタッチメントにより市販の小型カメラを取り付けることもできる。天井裏・床下点検ドローンは、床下や天井裏に対応した高輝度のLEDライトを搭載し、360度カメラで機体周辺全面の撮影ができる。狭い場所でも機体が傷つかないようにクッション性のあるバンパーで機体をカバーしている。
 同社では、今後も開発中のドローンのほか、全く新しいドローンやロボットシステムの開発に取り組んでいくとしている。