12月9日、日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は「JUIDA認定スクールフェスタ2021」をオンラインで開催した。認定スクールフェスタはJUIDA認定スクールの運営者が集まり、情報交換や交流を行う場として毎年開催されており、約100名が参加した。

 JUIDAは認定スクール制度の開始から、今年で6年を迎えた。海外を含む認定スクールの数は259校にまで拡大し、JUIDAが認定した無人航空機操縦士は1万8,200名、安全運航管理者は1万5,900名を超えている。

レベル4に向けて進む、各社のドローンサービスを発表

 オープニングでは、鈴木真二理事⻑が航空法改正に伴うライセンス制度について解説。また、JUIDAの提供する資格構造を説明したうえで、プラント点検をはじめとした専門的な技能証明の新設を発表した。

 第一部では「レベル4実現に向けての取り組み発表」をテーマに、KDDI、ACSL、日本郵便の3社が講演した。

KDDIはモバイル通信を活用したスマートドローンを主体に、ドローンサービスを展開。あらゆる分野で活用されるドローンの運航管理システムの開発を進めている。
開発中の運航管理アプリ。
KDDIは2020年8月より伊那市での自治体配送サービスを提供している。

 KDDIはスマートドローンを中心とした、配送、監視、点検、測量、農業への展開を進めており、モバイル通信に対応した遠隔からの運航管理システムの拡張や、国プロによる航空管制システムについて発表した。

ACSLはSOTEN(蒼天)を発表。特⻑について説明した。
SOTEN(蒼天)に搭載可能なカメラ。

 ACSLは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業プロジェクト「安全安心なドローン基盤技術開発」で開発したセキュアな国産ドローンSOTEN(蒼天)の仕様や、搭載するカメラについて紹介した。

日本郵便はドローン配送を視野に入れ、ロードマップを作製。
奥多摩地方でUGVを活用した置き配サービスの実証実験を実施。
ドローンを活用した配送サービスの将来像。

 日本郵便はこれまで取り組んできたドローンによる物流配送の仕組みを発表。そして、レベル4目視外飛行におけるドローン物流の運用や、地上配送ロボットの活用などに触れた。

 7月に発生した熱海土石流災害では、JUIDA及びJUIDA認定スクールが陸上自衛隊に向けた支援活動を行い、第二部では活動の様子が発表された。

 JUIDAは陸上自衛隊東部方面隊との災害時応援協力協定に基づき、支援活動を実施。JUIDAは陸上自衛隊からの要請を受け、災害発生後にブルーイノベーション及び各認定スクールに応援要請を呼びかけた。呼びかけに応じた認定スクールのエーブレイン(厚木ドローンスクール)、双葉電子工業が出動し、ブルーイノベーションの安全運航管理のもと、ドローンを使った状況把握によって復旧活動の支援を実施したという。

 今回、支援活動に協力したエーブレイン及び双葉電子工業には、JUIDAから感謝状が贈られた。感謝状を授与した厚木ドローンスクールの古座野氏は、「災害後に現地入りした際には、多数のヘリコプターなどが飛行しており、ドローンが安全に飛行できる状況になかった。今後は緊急時に関わらず、有人機との連携が必要だと感じた。また、当日扱ったドローンは市販の⺠生用ドローンだったため、通信距離が短く、運用が難しいと感じた」と実際に支援協力に参加した感触を共有した。

 最後に、開校1周年を迎えた認定スクール25校に対し、鈴木理事⻑から表彰盾が贈られた。