測量分野ではドローンによるデータ取得が手軽になった半面、3Dモデルの生成や三次元点群データの作成といった点数の多いデータ管理・加工に課題が残されている。日立建機は3次元データを身近に活用するために、ドローンで撮影した画像データのアウトプットをサポートするクラウド型のICT施工ソリューション「Solution Linkage Point Cloud」を5月11日に発表し、第3回建設・測量生産性向上展 CSPI-EXPOに出展した。

Solution Linkage Point Cloudで400枚の撮影データを約90分で三次元化

日立建機が第3回建設・測量生産性向上展 CSPI-EXPOに出展。ドローンに付随するソリューションサービスは初の試みとなる。ドローン測量の需要拡大を受けてサービス開発が進められた。

 簡単な施工管理を目的に開発されたSolution Linkage Point Cloudを導入することで、三次元データの取得に伴う利用者の業務負担はデータ取得とデータアップロードのみとなり、シンプルな作業で三次元データを手に入れることが可能になる。対応するファイル形式はドローンで撮影したJPGファイルと標定点マーカーを使用したCSVファイルの2種類。ブラウザからアップロードしたデータはクラウドサーバーを通じて日立建機が三次元化を行い、LASファイル(点群)とTIFFファイル(オルソ)の形式でアウトプットされる。これに加え、PDF形式でレポートを作成することも可能だ。なお、ひとつの案件につき、最大400枚の画像点数をアップロード可能で、三次元化の所要時間はアップロードから90分程度だという。

 展示ブースにはDJI Mavic2 Proが展示されていたが、自動航行機能と計測・測量用の自動撮影機能を有するドローンであれば使用可能。一方で400枚のアップロード枚数上限が条件となっているため、広範囲の三次元データを生成する場合は、1枚1枚の写真を高高度から広範囲で撮影したい。すなわち、広範囲のデータ生成には高解像度カメラを搭載した機体が求められる。

 担当者は「Solution Linkage Point Cloudを利用することで、ハイスペックPCの購入やSfMソフトの専門知識が不要となる。さらに、PC1台に対してひとつの作業しか進行できなかったが、同サービスを利用することで複数の三次元化が同時に進行でき、業務効率の改善にも繋がる。ドローンで取得したデータのアウトプット化にハードルを感じている事業者に利用して欲しい」と同サービスの魅力を説明した。

 Solution Linkage Point Cloudは月額5万5000円(税込)で7月からの提供開始を予定している。