トイドローンとは本体重量+バッテリー=100g未満の小型ドローンを意味する名称であり、トイドローンは一般的なドローンとは異なり模型航空機に分類されるため、空港等の離着陸周辺エリア以外では航空法の適用外となる機体だ。

 トイドローンで一般的に流通しているモデルとしてはRyze Tech社が販売しているTelloやHoly Stone社製の‎HS420のほか、ORSO社のDRONE STARなどが主要な機体となる。

トイドローンとマイクロドローンとの違い

表:トイドローンとマイクロドローンの違い
(出所:資料をもとにせりぽよが作成)

 トイドローンとマイクロドローンは広義で言えば、同じ模型航空機に分類される小型のドローンだ。ただし、トイドローンはおもちゃとして利用されることが多いが、マイクロドローンはFPV飛行による空撮や狭い場所の点検、ドローンレース等に使用されることが多い。

 この用途の違いから、トイドローンとマイクロドローンには以下のような違いがある。

トイドローンは2.4GHz帯の電波を使用するが、マイクロドローンはFPV飛行で5.8GHz帯を使うように5GHz帯の電波を使用する。

トイドローンは通常「一部の小電力の無線局」に該当するため、技適マークが表示されている機体を操縦する場合は電波法に抵触しない。

マイクロドローンは5GHz帯の電波を使用するため、業務利用ではなく個人利用で操縦する場合はアマチュア無線技士の資格およびアマチュア無線局免許が必須であり、これら無しで操縦すると電波法違反になる。

トイドローンは子どもでも簡単に操縦できるような機体がほとんどだが、マイクロドローンは各パイロットにより自作されるホバリング機能が搭載されていない機体であることが多いため、操縦の難易度が高い。

小型無人機等飛行禁止法によるトイドローンの規制

図版:小型無人機における小型無人機等飛行禁止法と航空法の違い
(出所:資料をもとにせりぽよが作成)

 小型無人機等飛行禁止法では、100g以上のドローン(無人航空機)と区別して100g未満のドローンを「小型無人機」と呼ぶ。航空法では空港周辺での飛行を除いて100g未満のドローンは規制対象から外れるが、小型無人機等飛行禁止法では100g未満のトイドローンを規制対象に含む。このため、空港周辺等での飛行でなくとも、日本国内に存在する重要施設およびその周囲おおむね300mの周辺地域の上空におけるトイドローンの飛行は禁止されている。