FPVとは First Person View(ファースト・パーソン・ビュー)の略称。機体に搭載されたカメラからの一人称視点の視界のこと。機体にカメラと映像伝送装置を取り付け、操縦者側の受信機で映像をゴーグルやモニターに投影することで、その映像を見ながらドローンを操縦することができる。

 機体の目視が難しい遠距離操縦のほか、レース用ドローンやマイクロドローンなどのスピードが速い小型の機体に用いられる。ゴーグルなどに投影した映像を見ながら操縦することで臨場感を出す場合などにも利用される。

利用ルール

 DJIなどの空撮用ドローンの場合は、操縦用の2.4GHzと同じ周波数帯の電波を使って映像伝送を行うため、免許資格の所有は問われない。一方、レース用ドローンやマイクロドローンなどに用いられる汎用のラジコン用送信機で映像を送受信することはできない。これらのドローンでFPVを利用するためには、VTX(Video Transmitter、ビデオ送信機)を機体側に搭載し、5.6GHz帯(アマチュア用)または5.7GHz帯の電波を用いて手元の受信機(ゴーグル等)で映像を送受信する。

 汎用品のVTXは、総務省の技術基準適合証明を受けていないため、ドローンをアマチュア利用として扱う場合はアマチュア無線技士の免許所有とアマチュア無線局の開局申請が必要となる。

 しかし、業務目的でアマチュア無線局として開局したVTXを利用することは電波法違反にあたり、業務目的でVTXを利用する場合には3級以上の陸上特殊無線技士免許の所有が必要だ。それに加え、平成28年8月に設けられたドローンやロボット用「無人移動体画像伝送システム」(2.4GHzまたは5.6GHz、ともに最大1Wまで)の無線局(携帯局)開局、そして専用のVTXを用いることで利用が可能になる。