特殊な用途から一般的な活用まで現実的な運用を見越したカスタム

 JDRONEは2019年7月に日本サーキットのドローン事業部から、ドローン専門会社として独立した。日本サーキットでは、回路設計や高周波通信の技術を活かしたドローンのカスタマイズを主軸事業のひとつとしてきたが、JDRONEでも引き続きドローンのカスタマイズ受託を行っている。

 カスタマイズ受託ではソフトウェアのシステム開発のほか、市販のドローンをべースに、用途に適したペイロードを搭載するペイロードカスタマイズが可能だ。ドローンに測定機器やカメラ、物流用装置などを取り付けることは一般的だが、運用面を見越したカスタマイズが重要だという。

 例えば、大型測定機器を搭載することで、本格的なデータ収集が可能になったとしても、飛行時間を犠牲にしてしまっては、運用そのものが破綻してしまう。同社は、運用を前提としたペイロードの搭載を行い、メーカーが提供するソフトウェア開発キット(SDK)を利用した開発も行っている。これまで、同社は放射線測量装置や、捕獲用ネットを搭載したドローンなど、特殊な用途に対応するカスタマイズ機を開発してきた。

スピーカーやレスキューポーチを搭載し、海水浴場での監視や呼び掛け、救助などに役立つドローンを開発した。

 2020年にはレスキュードローンを開発し、湘南の海岸でパトロールなどの実運用を実施している。レスキュードローンは、防塵防水機能を備えたDJI社のMatrice 300 RTKをカスタマイズしたもので、呼び掛け用のスピーカー、レスキューポーチ(縦⻑の浮き輪)を搭載したドローンとなっている。

 大きな目的はライフセーバーのサポート業務とし、上空からの映像伝送を提供することで、広域の状況把握を迅速かつ安全に行うことが可能になる。また、実際に運用してみると、サーファーの海水浴エリアへの立ち入り禁止の呼び掛けや、赤外線カメラによる水中の人命救助など、非常に役立つソリューションになったという。さらに、ペイロードカスタマイズのほかに、PSDKのカスタマイズ技術は日本サーキットからの強みであり、あらゆる用途に対応した現実的なドローンを実現してくれる。