2025年4月11日、ソニーは、高い測距性能を持つ世界最小・最軽量(※1)のLiDARデプスセンサー「AS-DT1」を商品化すると発表した。サイズは、幅29mm×高さ29mm×奥行31mm(突起部を除く)、質量50g。発売は2026年春を予定している。

※1 屋外晴天下で10m以上の測距レンジを持つ3D LiDARとして(モジュールを除く)。2025年4月時点、ソニー調べ。

写真:手のひらに載せた「AS-DT1」
LiDARデプスセンサー「AS-DT1」

 AS-DT1は、計測精度や距離分解能(※2)、測距レンジにおいて高い性能を発揮するDirect Time of Flight(dToF)方式(※3)のLiDARデプスセンサー。SPAD(Single Photon Avalanche Diode)(※4)センサーを組み込んだ独自開発のdToF測距モジュールを採用し、距離の計測に複数の測距点を用いることで、縦、横、奥行の3次元での距離を正確に測定する。

 また、低コントラストの被写体や反射率の低い被写体までの距離を測定することも可能。人や什器といったさまざまな対象物が想定される店舗などの環境でも正確に距離を測定する。対象物までの距離を屋内外問わず測定できることに加え、小型軽量で金属製の堅牢な筐体であるため、飲食店の配膳ロボットや倉庫の自律走行搬送ロボット、点検や調査で活用されるドローンといったさまざまな機器に組み込み活用できる。

※2 複数の対象物の微小な距離の違いを認識する能力。
※3 被写体へ照射した光が反射して戻って来るまでの時間を測定することで距離を算出する測距方式。
※4 入射した1つの光子(フォトン)から、雪崩(アバランシェ)のように電子を増幅させる「アバランシェ増倍」を利用することで高感度を実現する電子素子(ダイオード)。

ロボット
想定アプリケーション1
倉庫内で稼働するロボット
想定アプリケーション2
ダム付近を飛行するドローン
想定アプリケーション3
Direct Time of Flight方式の原理を表した図
Direct Time of Flight方式の原理

「AS-DT1」主な特長

【高い測距精度と距離分解能】

 SPADセンサーを組み込んだ独自開発のdToF測距モジュールを採用することで、高い測距精度と距離分解能を実現。10mの距離からの計測で屋内外ともに±5cmの誤差で測距が可能。また、dToF方式以外の測距方式では難しいさまざまな対象物までの距離を正確に測定する。低コントラストの被写体や反射率の低い被写体、宙に浮いた対象物なども正確に測距できるため、多様な対象物が混在する店舗や倉庫などの環境で使用されるロボットへの組み込みにも活用が可能。

倉庫内で稼働するロボット
活用イメージ1
点群データ
活用イメージ2

【長い測距レンジ】

 屋内で40m、真夏の晴天の屋外(10万ルクス想定)で20mの遠距離からでも正確な測距が可能。屋外でも遠距離から正確に測距できるため、橋梁や高速道路、ダムといった人が近づきにくい対象物の測距にも活用できる。

写真:橋梁付近を飛行するドローン
活用イメージ1
写真:橋梁から20m離れて測距するドローンのイメージ
活用イメージ2

【小型軽量、堅牢な筐体】

 幅29mm×高さ29mm×奥行31mm(突起部を除く)、質量は50g。筐体にはアルミニウム合金を採用し、軽量化と堅牢性を両立している。デプスセンサーを組み込めるスペースが限られた自律移動ロボットや、重量が飛行距離に影響を与えるドローンなど、さまざまな機器に組み込みやすい筐体となっている。

写真:「AS-DT1」外観
筐体イメージ1
写真:「AS-DT1」の筐体
筐体イメージ2

▼LiDARデプスセンサー「AS-DT1」
https://www.sony.co.jp/Products/ISP/products/model/as/AS-DT1.html

AS-DT1 コンセプトムービー(Sony Corporation - Official YouTubeチャンネル)