2025年4月17日、炎重工は、超小型水上ドローン「Swimmy Eye」について、下水道などの管渠や暗渠の点検・調査に対応する改良を行ったと発表した。これにより、流水の有無にかかわらず水位のある管内への立ち入りを最小限にし、作業員の安全確保と業務効率化に貢献する。

写真:超小型水上ドローン「Swimmy Eye」の外観
4K高画質カメラ搭載で大口径管も調査可能
写真:「Swimmy Eye」を片手で持つ様子
全長620mm、軽量6.5kg、持ち手付き
写真:プロポに映る現地の様子
管内映像は操作用プロポでリアルタイムに確認・録画

 2025年4月10日、カンツールの協力のもと、管の外から無線による遠隔操作を行い、管内を航行する様子の撮影、Swimmy Eyeによる管内撮影を行った。

管の内部の様子
Swimmy Eyeが撮影した管内の様子
管の上部の様子
Swimmy Eyeが撮影した管内の様子

 管径600mm以上に対応しており、マンホールから投入が可能。FPVカメラの映像をプロポで確認しながら管内を航行し、調査・点検を行うことができる。

写真:マンホールから機体を投入する様子
マンホールから投入する様子
管の外から手元のプロポで操作する。右のモニターには、カンツール製の管口カメラが捉えた映像(管内の入り口から見たSwimmy Eyeが航行する様子)を表示している
写真:管内を航行するSwimmy Eye
管内を航行する様子
写真:管内を航行するSwimmy Eye
管内を航行する様子

【管渠・暗渠の点検・調査対応Swimmy Eyeの特長】

  • 3軸ジンバル・4K高画質カメラ・12000ルーメンの照明を搭載
  • 水没による故障リスクなし
  • 全長620mm、重さ6.5kgと1人で持ち運べるサイズ
  • 最長4時間使用可能(使用方法や環境により変動する)
  • 管渠・暗渠の外から調査・点検できる無線システム
  • 船舶等の免許不要で使える


 炎重工は、国土交通省による「令和6(2024)年度 海の次世代モビリティの利活用に関する実証事業」に採択され、2025年1月に千葉県千葉市の下水管・雨水管で実証実験を実施するなど、水上ドローンを活用した点検・調査業務の無人化や自動化に取り組んできた。

 その成果をもとに、自社製品である超小型水上ドローンSwimmy Eyeの改良を行い、下水道など管渠や暗渠の点検・調査に対応する新たなモデルを開発した。

 船と同じく水面を航行するため、流水の有無にかかわらず水位のある下水道などを点検可能。4K高画質カメラを搭載し、大口径管のスクリーニング調査にも対応する。管の外から遠隔操作ができるため、硫化水素などの有毒ガス発生の危険もある管渠や暗渠の点検において、作業員の安全性を高め、業務に集中できる環境づくりにも貢献する。