写真:DJI「Mavic 4 Pro」

 2025年5月13日、DJIは「Mavic 4 Pro」を発表した。新開発の1億画素センサー搭載Hasselbladカメラや大型CMOSデュアル望遠カメラ、360°回転対応のインフィニティジンバル、最長51分の飛行時間、改良した全方向障害物検知、30km(日本国内では最大15km)のHD映像伝送を備え、さまざまなアングルからの自由な撮影を可能にする。

  • DJI Mavic 4 Pro 512GBクリエイターコンボ:希望小売価格 49万7,860円
  • DJI Mavic 4 Pro Fly Moreコンボ:希望小売価格 35万5,850円
  • DJI Mavic 4 Pro(DJI RC 2):希望小売価格 27万7,200円

※すべて税込価格

写真:飛行する「Mavic 4 Pro」

3眼カメラシステム

 Mavic 4 Proは、28mm・70mm・168mmの3眼カメラシステムにより、風景から細部のクローズアップまで幅広い撮影が可能。すべてのカメラにデュアルネイティブISOフュージョンを搭載しており、高ISOと低ISOの利点をシームレスに融合する。最大5フレームのRAWスタッキングやフリーパノラマ、全カメラ対応の被写体フォーカスなど、プログレードの映像品質を実現する。

写真:「Mavic 4 Pro」正面

【4/3型CMOS Hasselbladカメラ】

 4/3型CMOS Hasselbladカメラは、新開発の1億画素センサーを搭載し、優れた色再現性を実現するハッセルブラッドナチュラルカラーソリューション(HNCS)に対応。ポストプロダクションにおいても柔軟性を発揮する。F2.0〜11の幅広い絞り値で、低照度でもノイズの少ない映像を撮影でき、印象的な10本の光条効果も表現可能だ。

写真:雪山
写真:夜の橋
28mm Hasselbladカメラによる撮影

【70mm中望遠カメラ】

 4800万画素1/1.3インチセンサーとF2.8の絞りを備えた70mm中望遠カメラは、新画像処理エンジンにより画質が向上。70mmの焦点距離は、被写体を強調する圧縮効果を生み出すことができ、ダイナミックなポートレートやオービット撮影に適している。

写真:山並
写真:都市の夜景
70mm中望遠カメラによる撮影

【168mm望遠カメラ】

 5000万画素1/1.5インチセンサーとF2.8の明るい絞りを備えた168mm望遠カメラは、望遠光学用に最適化されたジンバルアルゴリズムを活用し、遠距離空撮においても高い画質と安定性を実現する。長い焦点距離により奥行き感を大きく抑え、被写体を際立たせフラットな構図で捉えることができる。被写体フォーカス機能と組み合わせることでクローズアップ撮影もスムーズ。ズームアウト時には広大なスカイライン、ズームイン時には都市のディテールをとらえる高精細なフリーパノラマ撮影が可能。

写真:雪の平原を歩く人
写真:川の手前にたたずむ野生動物
168mm望遠カメラによる撮影
観覧車
左から28mm・70mm・168mm

 すべてのカメラが4K/60fps HDR動画に対応しており、Hasselbladメインカメラは6K/60fps HDR撮影と約16ストップのダイナミックレンジを実現。中望遠カメラと望遠カメラは、それぞれ14ストップと13ストップのダイナミックレンジを備え、明暗差の激しい環境でも細部まで豊かに描写する。

 スローモーション撮影は、Hasselbladメインカメラと中望遠カメラが4K/120fps、望遠カメラは4K/100fps。

 すべてのカメラが10ビットD-Log、D-Log M、HLGの各カラープロファイルに対応しており、撮影した映像全体で一貫した色再現が可能だ。

360°インフィニティ ジンバル

 360°回転と70°の上向き撮影が可能な360°インフィニティ ジンバルは、これまでにないアングルを実現。カメラから直接ダッチアングル(画面を傾けた構図)を撮影することや、滑らかな動きで空撮表現の可能性を切り拓くことができる。

写真:DJI「Mavic 4 Pro」斜め前方

全方向障害物回避、ActiveTrack 360°

 6基の高性能な低照度対応魚眼センサーとデュアルプロセッサーを搭載。低照度下でも最大時速18mで全方向の障害物を回避する。衛星信号が届きにくい峡谷や都市部でも、高性能ビジョンシステムによりドローンの正確な位置を把握する。リアルタイムのビジョンポジショニングとマップ構築技術を活用し、十分な明るさがある環境下で飛行経路を記録。GPSが使えない状況でも自動でホームに帰還する。

 ActiveTrack 360°を搭載し、低照度下でも安定したトラッキングを行う。被写体が橋の上に立っていたり、下半分が部分的に隠れているような場合でもフォーカスを維持し続ける。最大200m先の車両を検知し、進行方向を正確に把握することでプロ品質の自動車映像撮影が可能。

写真:DJI「Mavic 4 Pro」機体上側
写真:DJI「Mavic 4 Pro」機体下側

飛行性能

 高効率の推進システムや95Whバッテリーにより最大51分の飛行、最高時速90km、航続距離41kmを実現。

 次世代の独自アルゴリズムを活用したDJI O4+伝送システムは、最大30kmの超長距離10bit HDR映像伝送が可能(日本国内では最大15km)。都市部など電波干渉の多い環境でも通信の切断リスクを大幅に低減する。

写真:「DJI RC Pro 2」を操作する様子

高性能送信機「DJI RC Pro 2」が新登場

 Mavic 4 Proに対応する送信機として、空撮映像制作に適した「DJI RC Pro 2」が新たに登場。高輝度の7インチMini-LEDディスプレイを備え、回転式スクリーンはドローンのジンバルと同期し、縦向き撮影にも対応している。HDMIポート搭載。業務用レベルのマルチビーム高感度アンテナにより信頼性の高い映像伝送を実現した。折りたたみ式の一体型設計で、画面を展開すると電源が入る。最大4時間のバッテリー駆動と128GBの内蔵ストレージを備え、内蔵マイクやDJI Micシリーズと連携することで高品質な音声を収録する。

写真:「DJI RC Pro 2」正面
写真:「DJI RC Pro 2」背面
写真:折りたたんだ「DJI RC Pro 2」

バッテリーの並列充電

 DJI Mavic 240W電源アダプターを使うことで、Mavic 4 Proのパラレル充電ハブは約50分でバッテリー1本をフル充電し、Mini SDCポート経由で3本のバッテリーを同時に充電することができる。パラレル充電ハブは、残量が最も少ないバッテリーを優先的に充電することで、効率よく電力供給を行う。3本すべてのバッテリーが同じ残量になるとパラレル充電に切り替わり、3本すべてを約90分でフル充電する。

 バッテリーの蓄電を活用することで、パラレル充電ハブは100Wのモバイルバッテリーとしても使用可能。現場でスマートフォンやノートPCへ高速充電ができる。複数のバッテリーの残量を最も残量の多いバッテリーに集約する電力移行機能を搭載。

写真:DJI Mavic 240W電源アダプター、パラレル充電ハブ
DJI Mavic 240W電源アダプター、パラレル充電ハブ

64GB内蔵ストレージ、クイック転送

 64GBの内蔵ストレージ(利用可能領域:約42GB)を搭載しており、コンテンツをすぐにキャプチャー可能。クリエイターコンボのMavic 4 Proは512GBの大容量ストレージ(利用可能領域は:約460GB)を備え、高スペックのALL-I 4:2:2エンコード録画にも対応している。

 ドローンや送信機をバッグから取り出さずに映像を転送できるクイック転送機能を搭載。DJI Flyアプリを介してMavic 4 Proを遠隔で起動し、Wi-Fi 6で最大80MB/sの速度でファイルを転送する。アプリを切り替えてもバックグラウンドでスムーズにダウンロードを継続。対応USBケーブルでドローンをパソコンに接続すると電源を入れずに映像をPCに転送できる。

価格

DJI Mavic 4 Pro 512GBクリエイターコンボ
希望小売価格: 49万7,860円(税込)

  • DJI Mavic 4 Pro 512GB高速ストレージ内蔵 (利用可能領域 約460GB)
  • DJI RC Pro 2送信機
  • 240W 電源アダプター1個
  • USB-C − USB-C 高速データケーブル
  • 予備のインテリジェントフライトバッテリー2本
  • パラレル充電ハブ
  • ショルダーバッグ


DJI Mavic 4 Pro Fly Moreコンボ
希望小売価格: 35万5,850円(税込)

  • DJI Mavic 4 Pro 64GBストレージ内蔵 (利用可能領域 約42GB)
  • DJI RC 2送信機
  • 予備のインテリジェントフライトバッテリー2本
  • DJI 100W USB-C 電源アダプター
  • パラレル充電ハブ
  • ショルダーバッグ


DJI Mavic 4 Pro(DJI RC 2)
希望小売価格: 27万7,200円(税込)

  • DJI Mavic 4 Pro 64GBストレージ内蔵 (利用可能領域 約42GB)
  • DJI RC 2送信機
  • インテリジェント フライトバッテリー