2024年11月26日、FINDi(ファインドアイ)は、同社の水中ドローンシミュレーター「FF Virtual」が日本海事協会より、革新的な技術とサービスに対する第三者認証である「Innovation Endorsement(イノベーション・エンドースメント)」を取得したことを発表した。

FF Virtualの新パッケージ
Innovation Endorsement認証ロゴが掲載された新パッケージ

 Innovation Endorsementは、海事および海洋産業における革新的な技術やソリューションを認証するための取り組みであり、日本海事協会による第三者機関としての知識・経験に基づき審査、確認を行い、認証を行っている。

 FF Virtualの高度な仮想空間と、ソナーやケーブルといった水中ドローン特有の要素を再現したバーチャル訓練環境といった各種機能に対して審査、確認が行われた結果、同認証を取得するに至った。

 FF VirtualはFINDiが開発・販売する水中ドローン「FF1/FF2」の挙動を再現する水中ドローンシミュレーター。訓練フィールドとして大型船舶の船底、地下水槽や管路といったインフラ維持管理施設をシミュレーションフィールドとして用意し、濁水環境や音響ソナー、テザーケーブルなどを再現している。

 船舶のプロペラ部周辺、閉鎖環境であれば配管や柱などにケーブルが絡んでしまうリスクなど、さまざまな危険要因をバーチャル空間で繰り返し体験・学習することで、高度な技術を持つ水中ドローン操縦者を育成する。

 FF Virtualは専用の認証付きUSBスティックで提供し、2024年8月以降の水中ドローンFF1に標準同梱している。単体販売も行っており、他社製水中ドローンユーザーも利用可能。

FF Virtual紹介動画
シミュレート画面
大型船舶のプロペラ付近
シミュレート画面
実機訓練が困難な施設内の管路
シミュレート画面
構造物に絡まったケーブル
FF Virtual
再現されたFINDiの水中ドローンFF1/2
室内でシミュレーション画面が映るモニターを3人が確認する様子
オフィスで実践的な訓練が可能
開発中の水中ドローンFF2

開発者の声

 現在、水中における作業では手元作業が得意な潜水士と調査に強い水中ドローンの協業が行われています。特に水中ドローンには高リスク環境に対応する事が期待されているため、操縦者には一層の経験とスキルを求められます。
 FF Virtualは当初、自社スタッフを教育するツールとして開発をスタートさせました。2年近くの開発期間を経て、テザーケーブルは物理演算処理を用いて抵抗や張力までも正確に再現し、フィールドは実際に調査した現場を模して構築しました。さらにソナー画面の描画遅延や死角などの特徴、着底時の巻き上げなど実際に水中ドローンを普段から運用している我々ならではの知見を惜しみなく投入しました。
 こうしたFF Virtualの先進的な取り組みが、日本海事協会によって評価され認証して頂いた事は今後の開発の励みになります。