Liberaware(以下、リベラウェア)は、2024年11月5日、神戸市消防局と合同で要救助者の捜索・救助活動の実動訓練を実施した。訓練では、特異な構造を持つ施設内での事故を想定し、リベラウェアの小型ドローン「IBIS2」を活用して現場状況を迅速かつ安全に把握する検証を行った。
この訓練は、神戸市消防局が擁する本部機動中隊第1係とリベラウェアが連携し、閉鎖空間や視界不良環境下での救助活動においてドローン活用の検証を進めることが目的。トンネル内での暗所かつ危険性の高い現場で、ドローンの機動力を生かし、要救助者の迅速な捜索・救助に向けた手法を構築することを目指す。
訓練は、神戸市内のトンネルで実施。当日は現場環境や災害リスクを把握するため、消防局の指示のもと、ドローンによる現場の事前調査と状況確認、救助シミュレーションを実施した。
・ドローンによる現場の事前調査と状況確認 :ドローンを先行投入し、内部の安全確認を実施。救助隊の入場前にリスクを低減する役割を果たした。
・救助シミュレーション :ドローンで負傷者を発見し、神戸市消防隊が救助活動を開始。高所での救助活動の効率性向上に加え、特殊な構造を持つ施設での迅速な対応を行った。
ドローンを活用した閉鎖空間での要救助者捜索は、効率的かつ迅速に実施され、要救助者発見までの所要時間は13分という成果を得た。従来の方法では確認が難しいトンネル内構造を短時間で把握し、救助隊の安全な進入を確保することができた。
神戸市消防局は今回の訓練を通じ、IBIS2が狭小空間での災害対応に有効であると評価している。飛行準備から救助対象者の発見までの時間が短く、安全性の向上にも貢献することを実証した。
今後リベラウェアは、神戸市消防局との連携をさらに強化し、災害発生時におけるドローン技術の活用範囲を拡大する予定だ。また、IBIS2を用いることで、他の自治体や企業とも連携し、閉鎖空間での救助活動における新たな技術基盤を提供するとしている。