2024年6月12日、国土交通省は、空飛ぶクルマの商用運航の実用化を促進するために必要となる「バーティポート計画ガイドライン(仮称)」の策定に向けた実証事業費補助金の公募を実施することを発表した。

 ガイドラインの策定にあたり、バーティポート(垂直離着陸機の離着陸場、以下VP)整備の課題抽出等のため、VPの整備に要する経費の一部に対して補助を行う。

 対象となるのは、基本施設(FATO、誘導路、スタンド、場周柵等)、付帯施設(機体整備格納庫、充電施設、消火救難施設等)、旅客利用施設(保安検査施設、搭乗待合室等)等の整備に要する経費。補助率は1/2以内。応募受付期間は、2024年6月12日~7月12日17時。

 空飛ぶクルマの商用運航拡大にはVPの普及が重要であり、VPは世界標準の機能を有し、既存の空港と同等の利便性を確保する必要がある。国内のVP整備については、EASA等の世界標準を参考とした「バーティポート整備指針」が2023年12月に策定・公表され、この指針に基づいてVPの計画・設計が進められている。一方、VPの設置・管理予定者からは、VPを計画・設計する際の基本施設の配置、附帯施設や旅客利用施設の必要規模などについての参考目安の提示を求められている。

 これらを踏まえ、国はVPの整備を支援し、施設の配置・施設の運用・運航実績に関する情報収集を行ってVP整備の課題等の抽出や必要項目を整理し、バーティポート計画ガイドライン(仮称)を策定する。

バーティポートの補助対象施設の画像(イタリアの実証施設例)と、補助対象施設のイメージ図